管区行政評価局とは、総務省設置法に基づき総務省に置かれる地方支分部局であり、管轄区域内で国の行政機関の業務の評価・監視と行政相談の受付・処理を担う機関である。
「年金の手続で国の窓口をたらい回しにされた」という住民の訴えは、市役所の所管ではないが放置もできない——その持ち込み先が行政相談であり、地方でこの制度を動かしているのが管区行政評価局である。全国をブロックに分けて管区行政評価局が置かれ、管内の府県には行政評価事務所などの拠点が配置される。所掌は大きく二つある。第一に行政相談で、国の行政全般への苦情や要望を所管を問わず受け付け、関係機関にあっせんして解決を促す制度の地方実施を担い、総務大臣が委嘱する行政相談委員の活動を支援する。第二に行政評価・監視で、府省の枠を越えて行政の実施状況を実地に調査し、総務本省から各府省への勧告につなげる調査の現場部隊となる。調査対象には法定受託事務や補助事業の執行といった自治体の現場も含まれ、市町村に実地調査や資料照会の協力依頼が来ることがある。住民窓口、広報、監査の各部門が、国の制度への苦情の引き継ぎ先、定例相談所の協力相手としてこの機関と接する。
行政相談と市町村窓口——苦情の引き継ぎと相談所の協働
行政相談は、年金、登記、国道、労働保険といった国の行政への困りごとを、所管を問わず受け止める総合窓口である。市町村の窓口に持ち込まれた苦情が国の機関の所管だった場合、管区行政評価局・行政評価事務所か、市町村の区域に配置された行政相談委員へつなぐのが定石で、あっせんに処分権限はないものの、関係機関への通知と回答の取り付けまで面倒を見る。市町村側の実務は、広報紙への定例相談所の開設案内の掲載、庁舎会議室など会場の提供、民生委員や消費生活相談員との合同相談会の日程調整が中心になる。自治体自身の業務への苦情が行政相談に寄せられた場合も評価局から当該団体へ連絡される運用であり、広聴部門は評価局経由の照会に答える窓口をあらかじめ決めておくと対応が早い。
行政評価・監視——勧告が自治体実務に降りてくる経路
行政評価局調査は、府省をまたぐ行政課題について業務の実施状況を実地に検証し、総務大臣から関係府省への勧告につなげる仕組みで、管区行政評価局はその実査を担う。空き家対策や鳥獣被害対策のように国と自治体が役割を分け合うテーマでは、国の出先機関だけでなく市町村の窓口や現場も調査対象に含まれ、評価局の調査員が訪問調査や資料照会を行う。調査への協力は負担に見えるが、勧告とそれを受けた各省の改善措置は通知や制度改正となって自治体実務に返ってくるため、現場の支障を国に伝える数少ない公式回路でもある。勧告と改善状況は総務省のサイトで公表されており、同じ課題に取り組む他団体の実態が整理された資料として、企画部門の政策調査にも使える。
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