委嘱とは、行政機関が外部の民間人等に特定の職務や役割を委ねて依頼する行為をいう。
附属機関の委員や行政相談委員、参与・顧問はどのように就任するのか。職員を任命する任命とは異なり、行政機関の指揮命令下に置かない外部の者へ職務を委ねる場合に用いられるのが委嘱である。長や大臣が委嘱権者となり、委嘱状を交付して就任を依頼する。委嘱を受ける者は常勤の職員ではなく、地方自治法上の非常勤の特別職(専門委員、附属機関の委員など)や、民生委員・行政相談委員のような民間の協力者であることが多い。委嘱には任期が定められ、再委嘱により更新される。委嘱を受けた者には、職務に応じて報酬・費用弁償が支給され、守秘義務など一定の服務上の規律が及ぶ場合がある。あて職により特定の役職者を委員に充てる場合も、形式上は委嘱の手続を経ることが多い。
任命との違い
委嘱と任命は、いずれも人をある職や役割に就かせる行為だが、対象と法的性格が異なる。任命は地方公務員法に基づき任命権者が職員を職に就ける行為で、就いた者は行政の組織の一員として指揮命令に服する。これに対し委嘱は、行政の外部にある民間人や非常勤の特別職へ、組織の一員としてではなく特定の職務の遂行を依頼する行為で、委嘱を受けた者は独立した立場で職務を担う。附属機関の委員、専門委員、参与、顧問、民生委員、行政相談委員などが委嘱で就任する代表例である。報酬や費用弁償の支給、守秘義務の有無、解嘱(委嘱の解除)の要件などは、根拠となる法令や設置条例、要綱で個別に定められる。
委嘱状と任期
委嘱は通常、委嘱権者が委嘱状という文書を交付して行う。委嘱状には委嘱する職務、任期、委嘱の根拠となる法令・条例・要綱が記載される。任期は法令や条例で定められ、満了後は再委嘱により更新するのが一般的で、附属機関の委員では2年・委員の改選という運用が多い。委嘱の途中で職務の継続が困難になった場合や委嘱の要件を欠くに至った場合は、委嘱権者が解嘱する。あて職で特定の役職者を委員に充てる場合は、その役職に就いている限り委嘱が続き、異動により役職を離れると当然に委嘱も終わる扱いとされることが多い。
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