本文へスキップ
ジチテン

地域公共交通の活性化及び再生に関する法律

読み:ちいきこうきょうこうつうのかっせいかおよびさいせいにかんするほうりつ

別名:地域公共交通活性化再生法別名:地域交通法
意味

地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(地域公共交通活性化再生法)とは、市町村等が地域公共交通計画を作成し、法定協議会での協議に基づいて旅客運送サービスの確保・再構築を進める枠組みを定めた法律である(平成19年法律第59号)。

赤字バス路線の減便が続き、ローカル鉄道の存廃までが議題に上がるとき、市町村がよりどころにする制度の枠組みがこの法律である。2007年(平成19年)の制定以来ほぼ数年おきに改正を重ね、道路運送法が事業者への許認可を定める規制法であるのに対し、本法は自治体が計画を立てて交通ネットワークを再設計するための計画法・事業法として育てられてきた。2020年改正で市町村等による地域公共交通計画の作成が努力義務となり、2023年改正ではローカル鉄道の再構築協議会の仕組みが加わって、国土交通省は本法を「地域交通法」と呼ぶようになった。計画に位置付けた事業には法律上の特例と国の支援が付き、運行費補助の採択でも計画の策定が事実上の前提になっている。交通政策の主役が事業者から自治体へ移る流れを体現する法律だといえる。

法定協議会と地域公共交通計画

本法第5条に基づき市町村(単独または共同)や都道府県は地域公共交通計画を作成でき、2020年改正でその作成が努力義務とされた。計画の作成と実施の協議のために組織されるのが第6条の協議会(法定協議会)で、地方公共団体が主宰し、交通事業者、道路管理者、利用者の代表、学識経験者などで構成する。道路運送法の体系に属する地域公共交通会議とは根拠も役割も別の組織だが、実務では構成員が重なるため、合同で開催したり一方が他方を兼ねる規約にしたりする市町村が少なくない。計画には路線網の方針、目標と評価指標を定め、毎年度の評価と公表が運用の柱になる。

改正の系譜——2014・2020・2023

2014年改正は都市再生特別措置法の改正と一体で行われ、立地適正化計画と連動する地域公共交通網形成計画を導入した。2020年改正はこれを地域公共交通計画へ改組して作成を努力義務化し、輸送資源を総動員する地域旅客運送サービス継続事業(維持が困難な路線の公募による引継ぎ)や貨客混載の促進策を加えた。2023年改正は、利用者の著しい減少に直面するローカル鉄道について、自治体または鉄道事業者の要請により国土交通大臣が再構築協議会を組織する仕組みを設け、バス転換や上下分離を含む再構築の議論を国が仲立ちする道を開いた。同年には社会資本整備総合交付金地域公共交通再構築事業が加わり、ハード面の支援も拡充されている。

計画に位置付ける特定事業と認定の効果

本法は、計画に位置付けて国土交通大臣の認定を受けると特例が働く事業類型を列挙している。鉄道事業再構築事業(上下分離方式への移行等)、軌道運送高度化事業(LRTの整備)、地域公共交通利便増進事業(バス路線の再編やダイヤ・運賃の改善)などが代表で、認定により許認可手続の特例や補助の優遇を受けられる。富山市のLRT化や各地の上下分離による鉄道存続はこの枠組みの産物である。2023年創設のエリア一括協定運行事業は、自治体が複数年度の協定で地域のバス運行をまとめて事業者に委ね、国が支援する類型で、単年度ごとの欠損補助を改める試みとして注目されている。

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)