ジチテン

地域公共交通

読み:ちいきこうきょうこうつう

意味

地域公共交通とは、地域住民の生活移動を支えるバス・鉄道・乗合タクシー・フェリー等の交通手段の総称で、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(地域公共交通活性化再生法、平成19年法律第59号)に基づき、市区町村が「地域公共交通計画」を策定して地域一体で維持・活性化を図る対象となっている。

人口減少・高齢化・自動車普及(モータリゼーション)が進むなかで、採算の取れない路線を中心にバス・鉄道の減便・廃止が相次ぎ、車を運転できない住民の移動手段が失われつつある。地域公共交通は、住民の生活移動を支えるバス・鉄道・乗合タクシー・フェリー等の総称で、地域公共交通活性化再生法(平成19年法律第59号)に基づき、市区町村が「地域公共交通計画」を策定して地域一体で維持・活性化を図る対象となっている。

2020年(令和2年)の同法改正により、市区町村による「地域公共交通計画」の策定が努力義務とされ、路線の再編・乗継ぎ改善等を含む「地域公共交通利便増進実施計画」の制度も整備された。市区町村は路線バス・コミュニティバス・デマンド交通の維持に補助を行いながら、住民の移動手段を確保する役割を担う。

地域公共交通計画の策定

地域公共交通活性化再生法第5条に基づき市区町村(または都道府県)が策定する「地域公共交通計画」は、地域の交通課題(移動困難者の増加・路線維持の困難等)を分析し、交通手段の維持・活性化の目標と施策を定める計画である。策定に際しては、交通事業者・住民・関係行政機関・学識経験者で構成する「地域公共交通会議」(同法第6条)で協議・合意形成を行うことが義務付けられている。計画には目標(利用者数・利便性指標等)と評価指標(KPI)を設定し、PDCAサイクルで見直す仕組みが推奨されている。

コミュニティバスとデマンド交通

路線バスが撤退した地域での代替手段として、市区町村が自ら運行するコミュニティバス(市区町村が車両・ルート・ダイヤを設定し、運行を交通事業者に委託)と、利用者の予約に応じて乗降場所・ルートを柔軟に設定するデマンド交通(オンデマンドバス・乗合タクシー)がある。デマンド交通は過疎地・中山間地域での移動支援に有効だが、予約管理・配車調整のシステム整備が必要であり、IT活用(MaaSプラットフォーム等)による効率化が課題である。

交通空白地と移動困難者

路線バス・コミュニティバスが通らない「交通空白地」の移動困難者(高齢者・障害者・免許返納者等)への対応は、自治体が抱える喫緊の課題である。福祉的な移送サービス(介護保険・障害福祉の移動支援)と公共交通の組み合わせ、地域ボランティアによる有償運送(国土交通大臣の登録・許可が必要:道路運送法第79条)、ライドシェア的な仕組みの整備が検討されているが、道路運送法の許可要件との整合が論点となる。移動手段の確保は交通政策だけでなく福祉・医療・買い物支援とも重なるため、関係部局が横断的に取り組む体制づくりが要る。

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