ジチテン

コンパクト・プラス・ネットワーク

読み:こんぱくとぷらすねっとわーく

別名:コンパクトプラスネットワーク
意味

コンパクト・プラス・ネットワークとは、生活機能を拠点に集約(コンパクト)し、それらの拠点を公共交通で結ぶ(ネットワーク)ことで、人口減少下でも持続可能な都市構造をめざす国土交通省の政策理念をいう。

人口が減るなかで、市街地が郊外へ広がったままでは、行政サービスやインフラの維持費が住民一人あたりで増え続けてしまう。コンパクト・プラス・ネットワークは、医療・福祉・商業などの都市機能と居住を中心部や生活拠点に緩やかに集約しつつ、その拠点どうしを地域公共交通で結ぶことで、自家用車に頼れない高齢者でも生活機能に到達できる都市構造をめざす考え方である。

この理念を実現する制度的な道具が立地適正化計画であり、市町村は計画のなかで都市機能を集める都市機能誘導区域と居住を誘導する居住誘導区域を定める。区域内に施設や住宅を緩やかに誘導する一方、それらの拠点を結ぶ地域公共交通網の再編を地域公共交通計画と一体で進める。集約だけでも公共交通だけでも成り立たず、両者を組み合わせる点に特徴がある。コンパクトシティが集約された都市像そのものを指すのに対し、コンパクト・プラス・ネットワークは集約と交通結合をひとつにした実現の枠組みを指す。

集約と交通を一体で進める政策枠組み

コンパクト・プラス・ネットワークは、2014年の都市再生特別措置法改正と地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正をあわせて打ち出された政策の枠組みである。背景には、人口減少と高齢化のなかで郊外に拡散した市街地を維持し続けることが財政・インフラの両面で困難になるという問題意識がある。そこで、医療・福祉・商業などの都市機能を拠点に集約し(コンパクト)、拠点間と拠点内を公共交通で結ぶ(ネットワーク)ことで、自動車を運転できない住民でも生活機能に到達でき、行政コストも抑えられる都市構造をめざす。集約のための制度が立地適正化計画、交通結合のための制度が地域公共交通計画であり、両計画を整合させて運用することが想定されている。単なる「コンパクトシティ」が集約という結果像を指すのに対し、ネットワークを明示的に組み込んだ点に政策上の力点がある。

立地適正化計画との関係と実務上の課題

市町村にとって、コンパクト・プラス・ネットワークは立地適正化計画を策定・運用する際の上位の理念にあたる。立地適正化計画で都市機能誘導区域・居住誘導区域を定め、誘導施設の整備や届出・勧告によって緩やかに集約を進める一方、その拠点を結ぶバス路線やコミュニティ交通の再編を地域公共交通計画で位置づけ、両者を連動させる。もっとも、誘導区域の設定は区域外住民の資産価値や行政サービスへの不安を招き、合意形成は容易でない。公共交通側でも、需要の薄い郊外路線を維持する財政負担が重く、拠点を結ぶ幹線の確保と末端の交通手段の両立が課題となる。集約と交通のいずれかが欠ければ理念は成り立たないため、計画部局と交通部局の連携が運用の要点となる。

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