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ジチテン

統計法

読み:とうけいほう

意味

統計法とは、国勢調査をはじめとする公的統計の作成と提供の基本を定める法律である(平成19年法律第53号)。基幹統計の指定、調査対象者の報告義務、調査票情報の保護と利用を規律し、統計を行政内部の道具ではなく社会全体の情報基盤と位置づける。

調査拒否に罰金まで用意して、国はなぜ統計を取るのか。その答えにあたる枠組みがこの法律で、1947年制定の旧統計法(昭和22年法律第18号)を60年ぶりに全部改正した2007年の現行法は、目的規定で公的統計を「国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報」と言い切った。柱は統計の二層構造である。国勢統計と国民経済計算、それに総務大臣が指定する重要統計を基幹統計とし、その作成のための基幹統計調査には報告義務と罰則を伴わせる一方、それ以外の一般統計調査は総務大臣の承認制で報告義務を課さない。自治体にとってこの法律は他人事ではなく、国勢調査経済センサスといった基幹統計調査の実査——調査員の確保、調査票の配布・回収・審査——は都道府県市区町村法定受託事務として担っている。指定都市の指定も普通交付税の算定も国勢調査の確定人口に紐づくから、統計法の作る数字は自治体の権限と財政の前提そのものである。

基幹統計と一般統計——報告義務という線引き

基幹統計は統計法第2条第4項が定める区分で、国勢統計、国民経済計算のほか総務大臣が指定する統計からなり、全体でおおむね50余りが指定されている。基幹統計調査に対しては個人・法人を問わず報告義務があり(第13条)、報告の拒否や虚偽報告には50万円以下の罰金が科されうる(第61条)。基幹統計調査の名をかたって情報を集める「かたり調査」は第17条で禁止され、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金という調査拒否より重い罰則(第57条)が置かれている——国勢調査の時期に市区町村が注意喚起を行う根拠である。一方、一般統計調査は総務大臣の承認を得て実施するが(第19条)、報告義務はない。旧統計法の指定統計・承認統計・届出統計という区分は、この全部改正で基幹統計・一般統計に再編された。

実査は自治体が担う——法定受託事務としての統計調査

基幹統計調査の事務の一部は、第16条に基づき政令で都道府県知事や市町村長が行うこととされ、これらは第1号法定受託事務に当たる。国勢調査を例にとると、市区町村が調査員候補者の推薦、調査区の管理、調査票の審査を担い、都道府県が取りまとめと指導を行い、経費は国の委託費で賄われる。単身世帯やオートロック化で調査員のなり手不足が全国共通の課題になっており、実査の品質がそのまま国の統計の品質を決める。その重みを示したのが2019年に発覚した毎月勤労統計調査の不正処理で、基幹統計でありながら全数調査とすべき事業所を抽出調査で済ませていたことが雇用保険等の給付額の訂正にまで波及し、総務省による基幹統計の一斉点検でも手順の不備が相次いで見つかった。統計法が罰則と義務で支えようとする「正確な統計」は、結局のところ現場の実査と審査の積み上げでしか成立しない。

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