国の関与とは、地方公共団体の事務処理に対し、国の行政機関が助言・勧告、是正の要求、許認可、協議、代執行などの形で関わる行為をいう。
国の関与は地方自治の現場でどこまで認められるのか。地方分権改革は機関委任事務を廃し、国と地方を対等・協力の関係に置き直した。その帰結として、国の関与は地方自治法に列挙された類型に限り、かつ法律またはこれに基づく政令の根拠がなければ行えないという関与の法定主義が確立した。自治事務には助言・勧告、資料提出の要求、是正の要求などが、法定受託事務にはこれに加えて同意、許可・認可・承認、指示、代執行が用意され、事務の性質によって認められる関与の強さが異なる。関与は必要最小限度のものとし、地方公共団体の自主性・自立性に配慮しなければならないとの一般原則も置かれている。関与をめぐって国と地方が対立した場合は、国地方係争処理委員会への審査の申出という争訟手段が用意され、関与が一方的に押し通されない仕組みになっている。
関与の類型と事務区分の対応
地方自治法は関与の基本類型を列挙する。自治事務に対しては助言・勧告、資料の提出の要求、是正の要求、協議が原則であり、強い関与である指示や代執行は法律に個別の根拠がある場合に限られる。法定受託事務に対してはこれらに加え、同意、許可・認可・承認、指示、代執行といった処理過程に踏み込む関与が認められる。これは法定受託事務が本来国などが果たすべき役割に関わる事務であることに由来する。いずれの事務でも、関与は地方自治法に定める基本類型以外の方法によることができず、新たな関与を設けるには法律またはこれに基づく政令の根拠を要する点が関与の法定主義の核心である。
是正の要求・指示と争訟による統制
是正の要求は、自治事務の処理が法令に違反し、または著しく適正を欠き明らかに公益を害しているときに、国が違反の是正・改善を求める関与であり、地方公共団体は是正の措置を講じる法的義務を負う。法定受託事務における是正の指示も同様に拘束力を持つ。これらに地方公共団体が不服である場合、国地方係争処理委員会に審査を申し出ることができ、委員会の審査結果や勧告になお不服があれば高等裁判所への関与取消訴訟へ進む。関与の適法性が第三者機関と裁判所の二段で点検される構造により、対等・協力の関係が手続面から担保されている。
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