ジチテン

欠損処分

読み:けっそんしょぶん

意味

欠損処分とは、自治体の債権のうち税以外の使用料・貸付金などが回収不能と確定した場合に、法令や条例に基づき、議会の議決または長の権限によってその債権を放棄・消却する処分である。

欠損処分は、地方税における不納欠損に相当する概念だが、税以外の私法上の債権、たとえば貸付金使用料などについて用いられることが多い。地方自治法自治体の債権の管理について定めており、長は、条例の定めるところにより、徴収できないと認める債権について、放棄や免除を行える場合がある。

議会の議決を要する場合と、条例による授権に基づき長の権限で行える場合があり、その区分は自治体の債権管理の条例・規則による。債権は本来回収すべき公の財産であるため、欠損処分は、回収のための努力を尽くしてもなお回収できないと確定した場合に限って行うべきものであり、安易な処分は、不当な債権の放棄として問題となる。

不納欠損との区別

地方税の不納欠損は、地方税法が定める時効の完成や滞納処分執行停止といった、法律上の事由に基づいて自動的に行われる帳簿上の処理である。これに対し欠損処分は、税以外の債権について、長などが個別に判断して行う行政上の処分であり、判断の余地がある点で性格が異なる。不納欠損が法定の事由による機械的な処理であるのに対し、欠損処分は、回収不能かどうかの判断を伴う。そのため、欠損処分は、法的に徴収が困難と判断された場合に限って行われるべきであり、回収の努力を怠ったまま安易に債権を放棄すれば、財政上の損失を招き、住民の負担の公平も損なわれる。

欠損処分の事前の手続

欠損処分を行うには、相応の準備が要る。第一に、督促・催告・差押えといった徴収の努力を行った記録である。第二に、債務者の破産による免責、行方不明、資力がないことなど、回収が不能であることを確認する資料である。第三に、欠損処分が妥当であることについての内部の決裁と、法務の面からの確認である。これらを整えたうえで、議会への議案の提出、または長による欠損処分の決定を行う。監査委員は、決算の審査において欠損処分が適正に行われたかを確認するため、これらの根拠となる資料を保存しておくことが欠かせない。債権の放棄は、いったん行えば取り戻せないため、慎重な手続を要する。

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