ジチテン

不納欠損

読み:ふのうけっそん

意味

不納欠損とは、滞納となっている地方税・使用料等の債権について、時効の完成・滞納処分の執行停止後の一定期間経過・破産免責等を理由として徴収が不可能となり、債権を帳簿上消却する処理のことである。

徴収できない債権を帳簿に残し続ければ、収入見込みのない金額が滞留して決算が実態を映さなくなる。不納欠損は、法律上もはや取り立てられなくなった地方税使用料等の債権を帳簿から消し込み、収入未済額を実態に合わせるための会計処理である点に意味がある。

地方税の徴収権は地方税法第18条で5年の消滅時効にかかり、滞納処分執行停止が3年継続した場合や同法第15条の7による即時消滅事由が生じた場合には、納税義務そのものが消える。税務担当課はこうした法定事由のある債権について、調定額から収入不能額を控除して台帳・財務会計システムの帳簿残高を修正する。破産免責のように私債権で支払いを受けられなくなった場合も同様に処理する。

不納欠損の手続と議会報告

不納欠損は法的に徴収不能となった債権を帳簿から消去する処理であり、免除・放棄(議会の議決等を要する場合)とは異なる。しかし、不納欠損の処理は決算書類の「不納欠損額」として開示されるため、議会・監査委員・住民から徴収努力の不十分さへの批判を受けることがある。徴収率向上策・差押え等の強制徴収の実施状況を記録・説明できるよう、滞納管理の記録を適切に保存しておく必要がある。決算上の不納欠損額が大きいほど徴収体制への評価は厳しくなるため、欠損に至る前の早期の財産調査や分割納付の働きかけといった滞納整理の取組が、欠損額を抑えるうえで欠かせない。

使用料・貸付金等の不納欠損

地方税以外にも、住宅使用料・貸付金・保育料等の未収金に対しても時効完成・支払い不能等の事由で不納欠損処理が行われることがある。これらの債権の時効は民法上の5年または10年(債権の種類によって異なる)が適用される。時効の中断(現在は「時効の更新」と呼称)措置(督促・内容証明・訴訟提起等)を怠ると時効が進行するため、定期的な管理・更新が欠かせない。私債権は地方税のように自力執行ができず、支払督促や訴訟といった司法手続を経なければ強制的に回収できないため、少額で多数にのぼる未収金では費用対効果を踏まえた回収方針の整理が実務上の課題となる。

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