債権管理とは、地方公共団体が保有する債権(税外収入・貸付金・使用料等の未収金)について、督促・催告・強制徴収・不能欠損等の措置を計画的に実施して回収率の向上と財政健全化を図ることをいう。
自治体が持つ税以外の未収金を放置すれば、本来入るべき収入を取りこぼし、きちんと払った住民との公平も損なわれる。債権管理は、自治体が保有する貸付金や使用料などの債権について、督促や強制徴収、回収できない場合の整理までを計画的に行い、回収率を高め財政の健全化を図る取組である。取りはぐれを防ぎ、負担の公平と財源の確保を両立させるところに本質がある。
自治体の債権は、地方税や保育料のように法律で強制徴収が認められる強制徴収公債権、住宅使用料や給食費のように民事訴訟などで回収する非強制徴収公債権、貸付金や損害賠償請求権といった私法上の債権に大別される。それぞれ回収の手段や時効の扱いが異なるため、区分に応じた管理手順を整えておくことが財政管理の前提となる。
債権管理条例の制定
債権管理を制度的に担保するため、「債権管理条例(債権の管理に関する条例)」を制定する自治体が増えている。条例では、各種債権の管理区分と担当部署の明確化、督促・催告の手続きと期限、強制徴収や法的措置の基準、不能欠損(放棄・時効援用)の要件と手続きを定める。条例の制定により「催告もせずに時効を迎える」「担当部署によって対応が異なる」という問題を解消し、全庁的な債権管理の標準化と強化が図られる。担当部署ごとに対応がばらつくのを防ぐ意味でも、条例による統一は有効である。
非強制徴収公債権の回収
住宅使用料(公営住宅家賃)・学校給食費・公共施設使用料等の非強制徴収公債権は、強制徴収(滞納処分)ができないため、民事訴訟・支払督促・財産調査(弁護士会照会等)による回収が必要となる。民事訴訟を多数提起する自治体では弁護士・司法書士への委託費用が発生するが、回収率の向上と督促効果のために法的措置が有効とされる。少額の場合は「簡易裁判所への支払督促申立て」(訴訟より簡易・低コスト)の活用が有効である。
消滅時効の管理
地方税の消滅時効は原則5年(地方税法第18条)、地方税以外の公法上の債権(社会保険料等)は5年が多い。民法の一般原則に基づく私法上の債権は債権の種類によって異なる(商行為は5年・一般の損害賠償は3年等:令和2年改正民法で短期時効区分が統一された)。時効管理の実務として、督促状の送付・債務の承認・裁判上の請求等で時効を更新(中断)させる手続きが必要であり、時効完成の直前に対応が集中することを防ぐ計画的な管理が重要となる。
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