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ジチテン

簡易表決

読み:かんいひょうけつ

意味

簡易表決とは、議長が案件について異議の有無を会議に諮り、異議がないと認めるときに可決の旨を宣告する表決方法である。起立や投票によって賛否の数を確かめる手順を省いた、最も簡便な表決の形式をいう。

本会議の中継で繰り返される「ご異議ありませんか」「異議なし」というやり取りは、儀礼の言葉ではなく表決そのものである。会議規則は、議長が問題について異議の有無を会議に諮ることができると定めており、議長が異議なしと認めて可決を宣告した瞬間に、その案件は起立も投票もないまま可決される。全会一致が見込まれる案件をひとつずつ起立採決にかければ議事はいたずらに長くなるから、争いのない案件を速く確実に処理する方法として、実際の本会議では表決のかなりの部分をこの方式が占める。

ただし議長の宣告に対して出席議員から異議が出れば簡易表決は成立せず、起立採決などの方法で賛否の数を確かめなければならない。誰が賛成し誰が反対したかの記録は残らないため、議員ごとの表決態度の公開を掲げる議会改革との間には緊張があり、重要案件は異議が見込まれなくても起立や投票によるという運用を定める議会もある。

「異議なし」の構造と限界

簡易表決は、標準会議規則に置かれた「議長は、問題について異議の有無を会議に諮ることができる。異議がないと認めるときは、可決の旨を宣告する」という規定を根拠とし、議長の宣告に対して出席議員から異議があるときは起立の方法で表決を採らなければならないという定めとセットで成り立っている。異議の有無しか問わない構造のため宣告できるのは可決だけで、否決が見込まれる案件には使えない。また、賛否の数も個々の議員の態度も会議録に残らないことから、住民に議員別の賛否を示せないという弱点がある。議会基本条例議案ごとの議員別賛否の公表を定める議会では、簡易表決によった案件を全員賛成として一覧に整理するなどの運用で補っている。会期末の本会議では、委員長報告のあと討論のない案件を簡易表決で次々に宣告していく運びが定着しており、起立採決や記名投票と並ぶ表決方法の使い分けの一角を、争いのない案件の側から支えている。

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