表決とは、議会に提出された案件に対し、議員が賛成または反対の意思を表示することをいう。議長が案件の可否を議員に問う採決の手続のなかで、各議員が行う賛否の意思表示が表決である。
議会の意思は、最終的には個々の議員の賛否の積み重ねによって決まる。表決は、案件に対して議員一人ひとりが賛成か反対かの意思を示す行為で、合議体としての議会の意思を形づくる基本の単位である。
議長が案件を議題として可否を問う一連の手続を採決といい、そのなかで各議員が賛否を表明する行為が表決である。表決の方法には、異議の有無を諮る簡易なものから、起立によるもの、賛成者と反対者を区別する記名や無記名の投票によるものなど、いくつかの種類がある。どの方法をとるかは、案件の重要性や議会の会議規則の定めによる。議員は、自らの判断と責任において表決に加わるものとされ、特別の利害関係を持つ案件など一定の場合を除いて、原則として表決に参加する。表決の結果が定められた要件を満たせば、議会の意思として可決または否決が確定する。
表決と採決の関係
表決と採決は密接に関わるが、行為の主体が異なる。採決は、議長が案件について可否を問い、その結果を確認する一連の手続を指し、議長が主宰する。これに対し表決は、その採決の過程で各議員が賛成または反対の意思を表示する行為を指す。いいかえれば、議長が採決を行い、議員が表決に加わる。両者があわさって議会の意思決定が成り立つ。表決の集計の結果、賛成が議決に必要な数に達すれば可決、達しなければ否決となる。通常の議決は出席議員の過半数によるが、特別多数を要する案件もある。採決という枠組みのなかで、個々の議員の表決が積み上げられて議会の意思が確定するという構造が、合議制の意思決定の核心である。
表決方法の種類と選択
表決の方法は一様ではなく、案件に応じて使い分けられる。最も簡便なのは、議長が異議の有無を諮り、異議がなければ可決とみなす方法で、争いのない案件に用いられる。賛否が分かれる案件では、賛成者に起立を求める起立採決が一般的である。さらに、議員一人ひとりの賛否を記録に残す必要がある重要な案件では、議員の氏名と賛否を明らかにする記名投票が用いられることがある。どの方法をとるかは会議規則に定められ、一定数の議員の要求があれば記名投票によることができるなど、少数の議員の意向にも配慮されている。表決方法の選択は、議事の効率と、議員の賛否を住民に対して明らかにする説明責任との兼ね合いのなかで決まる。
参考情報(外部リンク)
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)