除斥とは、地方自治法第117条に基づき、議長や議員が自己や一定の親族の一身上に関する事件、または自己や一定の親族の従事する業務に直接の利害関係のある事件の議事に参与できないとする制度である。
自分が役員を務める法人への補助金が議題に上がったとき、その議員は採決に加われるのか。除斥は、議員が自身の利害に関わる事件の審議や表決から外れることを義務づける議事手続上のルールである。地方自治法第117条は、議長および議員は自己もしくは父母、祖父母、配偶者、子、孫、兄弟姉妹の一身上に関する事件、またはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができないと定める。趣旨は、私的利害が議会の意思形成をゆがめるのを防ぎ、議決の公正と中立を担保する点にある。除斥の対象となった議員は議場の外へ退かなければならず、その間は審議にも表決にも加わらない。ただし議会の同意があれば、会議に出席して発言することは認められる。除斥に該当するかどうかの判断や宣告は議長が行い、議長自身が除斥に当たる場合は副議長などが議事を主宰する。
除斥と定足数の関係
除斥された議員を、会議成立に必要な定足数(地方自治法第113条、議員定数の半数以上)の出席議員に算入するかは実務上の論点である。除斥はあくまで特定の事件についての議事参与を制限するもので、議員の地位や出席そのものを失わせるわけではないため、通常は出席議員として定足数に数えたうえで、当該事件の審議・表決の場面でのみ退席させる扱いが一般的である。
「直接の利害関係」の解釈
除斥の要件である「直接の利害関係」は、当該事件の議決が議員本人や親族の権利義務に直接影響する場合を指すと解される。地域全体に及ぶ一般的な利害や、間接的・反射的な影響にとどまる場合は除斥事由に当たらないと整理されることが多く、線引きが微妙な事案では議長が議会に諮って判断する運用も見られる。
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