議会基本条例とは、地方議会が自らの権能・運営原則・議員の責務・住民参加の仕組み等を定める自主条例のことである。制定義務を定める法令はなく、各議会が自律的な議会改革の一環として制定する。2006年(平成18年)に北海道栗山町議会が全国で初めて制定した。
二元代表制のもとで議会は首長と並ぶ住民代表だが、その権能や住民との関わり方が曖昧なままでは、行政の追認機関に陥りやすい。議会基本条例は、議会が自らの権能・運営原則・議員の責務・住民参加の仕組みを定める自主条例であり、議会の存在意義と機能を自ら定義して議会改革の土台とする点に意味がある。
制定を義務づける法令はなく、各議会が自律的な議会改革の一環として制定する。2006年(平成18年)に北海道栗山町議会が全国で初めて制定した。共通する柱は、議会の基本理念・権能の明確化、執行機関の監視・評価機能、議員の責務と行動規範、住民参加の促進、情報公開・説明責任の強化の5点が多い。全国の市区町村・都道府県議会の過半が何らかの形で制定している。
制定の経緯と栗山町議会の先駆的取り組み
議会基本条例の先駆けとなった北海道栗山町議会の条例(平成18年5月12日制定)は、「議会は住民の信託に基づく権能を有し、住民全体の奉仕者として行動する」という理念のもと、議会報告会の義務化・一問一答方式の採用・議会図書室の整備等を定めた。制定後、議会改革を推進する市民団体や研究者等によって全国に広がり、2008〜2012年にかけて制定する議会が急増した。この広がりは「平成の議会改革運動」とも呼ばれ、二元代表制における議会の独自性・存在意義を再定義しようとする動きと連動した。
主な規定内容
先進的な議会基本条例が定める主な事項には、議員提案による条例・政策提言を促す政策立案機能の強化、本会議・委員会での一問一答方式の採用、議会報告会・タウンミーティングの開催義務化、請願・陳情の審査の透明化と請願者への意見表明機会の付与、議会図書室の充実と調査機能の強化、会期を設けず一年中開催できる通年議会の導入などがある。地方自治法第96条以下が定める権限に加え、条例によって自律的に権能を強化する取り組みである。
制定上の限界と評価
議会基本条例は自主条例であるため、地方自治法・公職選挙法等の法律に反する規定を設けることはできない。首長・執行機関との関係では、条例の規定があっても行政側の協力なく実施できない事項(資料提供・政策説明の充実等)があり、実質的な改革には首長との関係改善が伴う必要がある。「条例は制定したが議会の実態は変わっていない」という批判も多く、条例制定を目的化せず、議員の意識改革・住民との対話の実践が評価の分水嶺となる。
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