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ジチテン

児童心理治療施設

読み:じどうしんりちりょうしせつ

別名:情緒障害児短期治療施設
意味

児童心理治療施設とは、児童福祉法第43条の2に基づく児童福祉施設で、家庭環境や学校での交友関係などの環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童を、短期間入所させ、または保護者の下から通わせて、心理に関する治療と生活指導を主として行う施設である。

虐待などで深い心の傷を負い、児童養護施設の集団生活にもなじめない子どもを、どこで受け止めるのか。児童心理治療施設は、生活の場の提供を主とする児童養護施設と異なり、医師や心理療法担当職員を配置して「治療」を軸に据える点に特徴がある。入所の大半は児童相談所による施設入所措置で、被虐待体験に起因する心理的・行動上の課題を抱える子どもが中心を占める。施設内に学校の分級・分教室を置くなど学校教育との連携を組み込み、生活・治療・教育を一体で立て直したうえで、家庭復帰や児童養護施設・里親への措置変更へつなぐ中間的な役割を担う。全国の施設数は50か所余りにとどまり、設置のない県では他県の施設への広域的な措置で対応するため、家族との面会や通学の継続が難しくなるという課題を抱える。

情緒障害児短期治療施設からの改称

2016年成立の改正児童福祉法により、2017年4月から旧称の情緒障害児短期治療施設(情短施設)が児童心理治療施設へ改められた。旧名称には、「情緒障害」という語が被虐待体験に起因する心理的困難を中心とする入所児童の実態と合わなくなったこと、「短期」とうたいながら実際の在所期間は平均2年を超えること、という実態との乖離があり、施設の機能を正面から表す名称に改められた。改称は単なる看板の掛け替えではなく、虐待を受けた子どもの心理治療の受け皿という位置づけを法律上明確にしたものであり、児童養護施設・児童自立支援施設と並ぶ社会的養護の施設類型として、対象像の違い(心理的・行動上の課題への治療か、養護か、非行への指導か)を整理する手がかりになる。

治療を軸とする職員配置と学校教育との連携

児童心理治療施設には、医師(精神科または小児科の診療経験を有する者)と心理療法担当職員の配置が義務付けられ、心理療法担当職員はおおむね児童10人につき1人以上とされる。生活を支える児童指導員・保育士に加えて治療職を厚く置くこの配置基準が、児童養護施設との機能の違いを支えている。学校教育の面では、施設内に地元の小・中学校の分級や分教室、特別支援学校の分校を設ける例が多く、不登校状態で入所した子どもが施設内で学校教育に再接続できる構造をとる。退所後の通学先や家庭環境の調整は児童相談所・市町村・学校の三者調整となるため、教育委員会にとっても就学事務や学籍の扱いで関わりが生じる施設である。

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