ジチテン

社会的養護

読み:しゃかいてきようご

意味

社会的養護とは、保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当と認められる児童(要保護児童)を、国が公的責任のもとで社会的に養育・保護し、支援する仕組みの総称である。児童養護施設・乳児院・里親・ファミリーホーム・自立援助ホーム等が含まれる。

親を亡くしたり、虐待などで親元で暮らせなかったりする子どもを社会全体で育てる仕組みがなければ、子どもの育ちと安全は守れない。社会的養護は、保護者のない児童や保護者に監護させることが不適当な児童(要保護児童)を、国の公的責任のもとで社会的に養育・保護し支援する仕組みの総称で、児童養護施設・乳児院・里親・ファミリーホーム・自立援助ホーム等が含まれる。

社会的養護は、里親・ファミリーホームのように家庭環境に近い「家庭養護」と、児童養護施設・乳児院・児童心理治療施設等の「施設養護」に大きく分けられる。厚生労働省は2011年の「社会的養護の課題と将来像」以降、家庭養護・家庭的養護(グループホーム等)を優先する方針を掲げ、施設養護から家庭養護への移行が政策上の目標となっている。2022年(令和4年)の児童福祉法改正では、社会的養護の対象を18歳を超えて22歳まで継続できる仕組みが整えられた。

社会的養護の主な施設・形態

社会的養護の主な提供形態は次のとおりである。乳幼児を入所させて養育する乳児院(児童福祉法第37条)、2〜18歳の要保護児童を養育する児童養護施設(同法第41条)、情緒・行動上の問題を抱える児童のための児童心理治療施設(同法第43条の2)、不良行為をした・するおそれのある児童のための児童自立支援施設(同法第44条)、児童を家庭に委託する里親制度(同法第27条)、養育者の住居で養育するファミリーホーム(同法第6条の4)、義務教育終了後の自立を支える自立援助ホーム(同法第33条の6)がある。

家庭養護推進の背景

国際的な研究・ガイドライン(国連の「代替的養護に関する指針」等)は、施設養護より家庭養護(里親・養子縁組等)が子どもの発達・愛着形成に優れるとしており、日本の政策もこの方向で転換が進んでいる。要保護児童に占める里親等委託の割合(里親委託率)の引き上げが都道府県の目標として設定され、都道府県・市区町村が里親のリクルート・研修・マッチング・養育支援を担う体制整備が急がれている。里親の確保と、委託後の家庭を支える伴走支援の両方が課題となる。

自治体(市区町村・都道府県)の役割

社会的養護の措置権は主に都道府県・政令市児童相談所設置市にあり、市区町村は措置権を持たない。ただし市区町村は、要保護児童の早期発見・通告・家庭環境の見守り(要保護児童対策地域協議会)を担い、施設退所後の若者(ケアリーバー)への就労・住居支援でも関わる。都道府県は里親の認定・研修、施設の指導監督、社会的養護の計画策定(都道府県社会的養育推進計画)を担う。措置権の有無にかかわらず、子どもに身近な市区町村の見守りが養護の入り口を支える。

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