一団地認定とは、建築基準法第86条第1項に基づき、一団地内に総合的設計によって2以上の建築物を建築する場合に、特定行政庁の認定により接道義務や容積率制限等の集団規定を団地全体で一体的に適用する制度である。
敷地ごとに接道と容積を満たせという原則のままでは、広い土地に複数の住棟をゆったり配置する団地は造れない——この矛盾を解くのが一団地認定である。建築基準法の集団規定は一建築物一敷地を前提に組み立てられているが、第86条第1項の認定を受けると、複数の建築物が同一敷地内にあるものとみなされ、接道義務、容積率・建蔽率、斜線や日影の制限を団地全体でまとめて判定できる。各住棟が道路に接していなくても団地内通路で代替でき、容積も棟ごとでなく全体で消化すればよい。高度成長期の公営住宅団地や公団住宅、分譲マンション団地の配棟計画はこの仕組みに支えられてきた。既存建物を残したまま隣接敷地と一体設計する連担建築物設計制度(第86条第2項)が後から加わった兄弟制度であり、公開空地による容積緩和の総合設計制度(第59条の2)とは名前が似るだけの別物である。認定を受けた区域は公告され、その後の建築は認定内容に適合する範囲でしか行えない。
「同一敷地とみなす」効果の中身
認定の核心は、一団地を一の敷地とみなして集団規定を適用替えする点にある。対象になる代表的な規定は、接道義務、容積率・建蔽率、斜線制限、日影規制であり、団地全体で適合していれば個々の棟や区画単位では基準を満たさなくてもよい。たとえば団地中央の住棟は建築基準法上の道路に接していなくても、また特定の棟が容積率を超えて高くても、全体の延べ面積が収まっていれば認定の枠内に収まる。認定は特定行政庁が行い、対象区域は公告される。公告された区域内では、その後の増築や建替えも認定された総合的設計との適合が前提になるため、認定図書は団地の将来の建築活動を縛る基礎資料として永く参照され続ける。
団地建替えの足かせ問題と認定の取消し
築後半世紀を超える住宅団地の建替えで、当の一団地認定が最大の障害になる場面が増えている。当初の認定は既存の配棟と容積配分を前提にしているため、高層化して戸数を増やす建替え計画とは整合せず、認定の変更や取消しが避けて通れない。取消しは第86条の5により対象区域内の土地について権利を有する者の全員合意で申請する仕組みで、分譲マンション団地では区分所有者と借地権者の合意形成がそのまま事業の成否を分ける。公営住宅団地の集約建替えでは自治体自身が認定の当事者となる。窓口では、団地内の一区画だけを切り売りして単独で建築したいという相談も定番で、認定が生きている限り単独敷地としての建築判断はできないという説明から始まることが多い。
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