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ジチテン

発言の取消し

読み:はつげんのとりけし

別名:発言取消し
意味

発言の取消しとは、地方議会の議員が本会議や委員会で行った自己の発言を、会期中に限り議会の許可を得て取り消す手続である。議長が地方自治法第129条に基づき、議場の秩序を乱す議員に発言の取消しを命じる場合を含めて呼ぶこともある。

議場で口にした一言は、会議録に記録され、住民に公開され、半永久的に残る。事実誤認の指摘、個人情報への言及、感情的な暴言——後から取り消したい発言が生じたとき、議会には発言の取消しという手続が用意されている。標準会議規則は、議員はその会期中に限り、議会の許可を得て自己の発言を取り消すことができると定める。言い間違いを直す発言の訂正は議長の許可で足りるが、訂正できるのは字句に限られ、発言の趣旨を変えることは許されない。

会期をまたぐと取消しができなくなるのは、その会期の議事はその会期のうちに確定させるという会期不継続の原則の現れである。議員本人の申出による取消しとは別に、議長は地方自治法第129条により、議場の秩序を乱す議員の発言を取り消させることができる。実際の議場では、問題発言の直後に議事を止めて判定するのではなく、議長が「後刻、記録を調査の上、措置します」と引き取って議事を進め、後に会派間の調整や議会運営委員会での協議を経て処理する運用が定着している。

取消しの効果——会議録から消えても事実は消えない

会議規則は、秘密会の議事と議長が取消しを命じた発言を会議録に掲載しないものとしており、本人の申出により議会の許可を得て取り消された発言も、公開される会議録には掲載しない扱いが通例である。ただし、取消しは発言がなかったことにする制度ではない。発言をした事実そのものは消えず、地方自治法第132条が禁じる無礼の言葉や他人の私生活にわたる言論であれば、取り消した後でも懲罰の対象になりうる。また、議会の許可には取消しを認めるかどうかの裁量が含まれ、発言の影響が大きい場合に許可されないこともある。実務では、取消しの対象を「どの発言のどの部分か」まで特定して議会に諮ることが、会議録調製の正確さとあわせて議会事務局の腕の見せどころになる。

議長命令による取消し——秩序維持の権限の行使

地方自治法第129条は、議場の秩序を乱す議員があるときは、議長はこれを制止し、または発言を取り消させることができ、命令に従わないときはその日の会議が終わるまで発言を禁止し、または議場の外に退去させることができると定める。本人の意思による取消しと違い、こちらは議長の一方的な命令であり、議事整理権と並ぶ議長の秩序維持の権限の行使である。命令を出すかどうかは議長の判断に委ねられるが、安易な行使は少数派の言論の封殺につながりかねず、まず制止や注意で促し、取消し命令は最後の手段とするのが運用の定石である。発言の自由は議員活動の核心であるだけに、取消しをめぐる攻防は、議場の品位の保持と言論の保障の均衡点を探る議会運営の試金石になる。

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