ジチテン

議事整理権

読み:ぎじせいりけん

意味

議事整理権とは、地方自治法第104条に基づき、議長が議場の議事を円滑に進めるため、議題の宣告、発言の許可、表決の順序の決定など議事の進行を統制する権限である。

本会議で複数の議員が同時に発言を求めたとき、誰に先に発言させるのか、議題はどの順で取り上げるのか。これらを決めるのが議長の議事整理権である。地方自治法第104条は、議長は議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、議会を代表すると定めており、このうち「議事を整理する」権限が議事整理権にあたる。具体的には、議事日程の作成、議題の宣告、発言の許可と発言時間の調整、討論質疑の打ち切り、表決の宣告とその順序の決定などが含まれる。議長はこの権限を中立・公正に行使する責務を負い、特定の会派や議員に偏った運用をすれば信任を失いかねない。秩序維持に関する権限とあわせて、議長が会議体を運営する中核的な権能を構成する。

議事整理権と秩序維持権の区別

地方自治法第104条が議長に与える権能は、大きく「議事を整理する」議事整理権と「議場の秩序を保持する」秩序維持権に分けて論じられる。議事整理権は議題の宣告、発言の許可、表決の宣告など議事の進め方そのものを統制する権限である。これに対し秩序維持権は、私語や妨害行為への制止、発言の取消し命令、退場命令など議場の規律を保つ権限である。両者は実際の議事運営では一体的に行使されるが、議事進行の統制と場の規律維持という根拠と目的が異なる別個の権能として整理され、行使の限界を考えるうえでも区別する意味がある。

権限行使の限界

議事整理権は議長の裁量に委ねられる部分が大きいが、無制限ではない。発言の打ち切りや質疑・討論の終結、表決の順序の決定が著しく不公正であれば、議会の意思を不当にゆがめるものとして問題となりうる。とくに表決の順序は結論を左右しうるため、修正案を原案より先に諮るなど会議規則の定める順序に従う必要がある。重要な運営上の判断は議長が独断で行わず、議会運営委員会に諮ったうえで進めるのが通例であり、合意形成の手続を踏むことが権限行使の正統性を支える。

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