懲罰とは、地方自治法第134条に基づき、議会が会議規則や議場の秩序に違反した議員に対し、議会の議決によって科す制裁である。
議員が議場の秩序を著しく乱したり、会議規則に違反したりしたとき、議会はどのような措置をとれるか。懲罰は、議会が自律的に内部の規律を保つために、違反した議員に対して議決で科す制裁である。地方自治法第135条は懲罰の種類として、公開の議場における戒告、公開の議場における陳謝、一定期間の出席停止、除名の四つを定める。このうち除名は議員の身分を失わせる最も重い処分で、出席議員の3分の2以上の特別多数による議決を要する。懲罰は議会が自らの秩序を守る自律権の表れであり、原則として議会内部の問題として司法審査が及ばないとされてきたが、除名のように議員の身分にかかわる重大な処分については訴訟で争いうると解されている。懲罰の動議には議員定数の8分の1以上の発議を要する。
懲罰の四種類と重さ
地方自治法第135条が定める懲罰は、軽い順に、公開の議場における戒告、公開の議場における陳謝、出席停止、除名の四種類である。戒告と陳謝は議場で本人に反省を求めるもの、出席停止は会議規則の定めるところにより一定期間会議への出席を禁じるもので、いずれも議員の身分は失わせない。これに対し除名は、議員の地位そのものを失わせる最も重い処分であり、地方自治法第135条第3項により出席議員の3分の2以上の特別多数による議決を要する。懲罰の動議は議員定数の8分の1以上の者の発議によることとされ、軽々に科されないよう発議の段階から要件が課されている。
司法審査の及ぶ範囲
議会の懲罰は議会の自律権に属する内部問題として、かつては司法審査が及ばないとする整理が有力であった。除名のように議員の身分を失わせる処分が訴訟で争われることは以前から認められてきたが、出席停止については内部規律の問題として司法審査の対象外とする判例があった。しかし最高裁は令和2年の判決でこれを変更し、出席停止も議員の活動を制約し住民の負託に応える職責の遂行を妨げるものであるとして、司法審査の対象となると判断した。これにより、議員の権利を制約する処分には裁判所の審査が及ぶ方向に解釈が進んだ。
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