豪雪地帯対策特別措置法(豪雪法)とは、積雪が特に著しい地域を豪雪地帯・特別豪雪地帯として指定し、雪害の防除や産業の振興のための特別の措置を定める法律である(昭和37年法律第73号)。離島振興法や山村振興法と並ぶ条件不利地域立法の一つである。
地震や台風が「起きるかもしれない」災害であるのに対し、雪は特定の地域に毎年必ず降り、除排雪の費用は恒常的な行政コストとして自治体財政にのしかかる。この恒常性に着目し、地域指定と計画に基づく継続的な対策へ落とし込んだのが本法である。国土のおおむね半分が豪雪地帯に指定され、そのうち積雪が特に著しく生活への支障が大きい市町村は特別豪雪地帯として重ねて指定される。特別豪雪地帯では基幹的な市町村道の整備を都道府県が代行できるほか、公立小中学校の施設整備の補助率かさ上げという特例が働く。雪下ろし中の転落事故が雪害死者の中心を占める実態を受け、2022年(令和4年)の改正では安全な除排雪の確保が施策として明記された。過疎法や山村振興法と指定が重なる市町村が多く、条件不利地域対策のパッケージの一部として運用される。
二段階指定の仕組みと特別豪雪地帯の特例
豪雪地帯の指定は、積雪の度合いなどの基準に基づき国土交通大臣、総務大臣、農林水産大臣が行い、道府県の全域を指定する場合と区域の一部を指定する場合がある。新潟県や北海道など全域指定の道県を含め、指定地域は国土面積の約半分に及ぶ。このうち積雪が特に著しく、住民の生活水準の維持が特に困難な市町村が特別豪雪地帯で、基幹的な市町村道の整備の都道府県代行や、公立小中学校の統合に伴う校舎整備の補助率かさ上げという上乗せの特例が適用される。指定は市町村合併後も従前の区域単位で引き継がれることがあり、同じ市の中に特別豪雪地帯とそれ以外が混在する例も生じる。使える特例は指定区分で変わるため、雪対策事業の予算要求や補助申請では、自らの区域がどちらの指定かを確認するところが出発点になる。
2022年改正——雪下ろし事故対策と特例措置の延長
豪雪地帯の雪害による死者は、雪崩や建物倒壊よりも、屋根の雪下ろし中の転落や除雪機の事故という日常の除排雪作業中に集中している。2022年(令和4年)の改正はこの実態を正面に据え、命綱を固定するアンカーの設置促進、除排雪の担い手確保、安全講習の実施など、安全に雪下ろしができる環境づくりを国と地方公共団体の施策に位置付けた。期限が迫っていた特別豪雪地帯の基幹道路代行などの特例措置は10年間延長され、2032年(令和14年)3月末までとされた。市町村にとっての変化は、除排雪の体制づくりが明文の努力義務になったことで、地域ぐるみの共助除雪や要配慮者世帯の屋根雪処理の支援に、除排雪経費への特別交付税措置を組み合わせる事業設計が広がっている。
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