ジチテン

山村振興法

読み:さんそんしんこうほう

意味

山村振興法とは、林野率が高く生産・生活基盤の整備が遅れた山村について、地域の指定と山村振興計画に基づき基盤整備や産業振興を支援する法律である(昭和40年法律第64号)。

山村は、急峻な地形と高い林野率のため平地が乏しく、農林業以外の就業の場が限られ、生活基盤の整備も遅れがちである。こうした山村の経済力の培養と住民福祉の向上を図るために制定されたのが山村振興法である。国が、林野率・人口密度などの要件で振興山村を指定し、市町村が山村振興計画を作成して、道路・水道などの基盤整備、農林業・観光などの産業振興、生活環境の整備を進める。支援には、計画に基づく事業の補助率かさ上げや地方債の特例、山村地域での設備投資に対する税制の特例などがある。中山間地域過疎地域と地理的に重なることが多く、複数の条件不利地域立法の指定が重複する地域では、施策の調整と有利な制度の選択が実務の論点となる。

振興山村の指定要件

山村振興法による支援を受けるには、その地域が振興山村として指定されていることが前提となる。指定は、おおむね、林野面積の割合(林野率)が高いこと、人口密度が低いことといった要件を旧市町村単位で満たす地域について、関係大臣が行う。山村は、土地の大半を森林が占め、平地が少ないため、農地の確保も宅地の造成も難しく、就業機会が農林業に偏りやすい。こうした地理的条件を指標化して、支援を要する地域を画するのが指定要件の役割である。指定された振興山村では、市町村が地域の実情に応じた山村振興計画を作成し、これに基づいて各種の支援を活用する。

他の条件不利地域立法との重複

山村振興法の対象地域は、過疎地域・中山間地域・特定農山村などと地理的に大きく重なる。山がちで人口が少なく、農林業中心という山村の特性は、人口減少が著しい過疎地域や、農業生産条件が不利な中山間地域の特性と共通するためである。そのため、一つの市町村が、山村振興法による振興山村、過疎法による過疎地域、特定農山村法による特定農山村などに重複して指定されることが珍しくない。それぞれの法に基づく支援は目的や使える事業が少しずつ異なるため、自治体は、行おうとする事業に対して最も有利な制度を選び、あるいは複数を組み合わせて活用する。指定の重複を整理して把握しておくことが、地域振興部門の基礎的な実務となる。

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)