ジチテン

過疎法

読み:かそほう

別名:過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法
意味

過疎法(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法)とは、人口減少と高齢化が著しく進んだ市町村を過疎地域に指定し、過疎対策事業債や国庫補助率の特例などの支援措置を講じることを定めた時限立法である。

人口が細り財政力も弱い市町村が、道路や生活基盤の整備を自力でまかなえないとき、国は何を根拠に重点的な支援を行うのか。過疎法は、人口減少率と財政力指数という数値要件で過疎地域を指定し、その市町村に限って手厚い財政措置を認める法律である。中核となるのが過疎対策事業債(過疎債)で、充当率100%・元利償還金の70%が後年度に交付税措置されるため、実質的な地方負担を大きく軽減する。指定要件・対象事業・有効期間を国会が法律で定め直す必要があるため、過疎法は十年程度ごとに新法へと制定し直されてきた時限立法であり、現行法は令和3年に施行された。市町村は過疎地域持続的発展市町村計画を策定し、これに位置づけた事業が過疎債の対象となる。

時限立法として制定し直されてきた経緯

過疎法は一度きりの恒久法ではなく、対象地域と支援内容を時代に合わせて見直すため、約十年ごとに新法へ置き換えられてきた点に特徴がある。昭和45年の過疎地域対策緊急措置法に始まり、過疎地域振興特別措置法(昭和55年)、過疎地域活性化特別措置法(平成2年)、過疎地域自立促進特別措置法(平成12年)と名称と理念を変えながら継承され、令和3年に現行の過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法が施行された。法律名が「緊急措置」から「自立促進」「持続的発展」へ移り変わってきたのは、人口の社会減を食い止める発想から、減少を前提に地域を維持する発想へと政策目標が転換してきたことを映している。期限が定まっているため、失効前の改正・新法制定が国の重要課題として繰り返し議論される。

過疎地域の指定要件と段階区分

過疎地域の指定は、一定期間の人口減少率と財政力指数を組み合わせた要件で機械的に判定される。現行法は、減少の程度に応じて指定を区分し、要件を満たさなくなった地域も激変緩和のため一定期間は措置を受けられる経過措置を設けている。市町村合併で過疎でない区域と一体化した場合に、旧過疎市町村の区域だけを過疎地域とみなす一部過疎・みなし過疎の扱いがあるのも、合併後も従前の支援を急に断ち切らないための調整である。指定を受けた市町村は過疎地域持続的発展市町村計画を定め、都道府県は都道府県計画を定める。過疎債が充当できるのはこの計画に位置づけた事業に限られるため、指定と計画策定が支援活用の前提となる。

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