技能労務職員とは、地方公務員のうち、技能または労務に従事する職に任用される一般職の職員である。学校用務員・給食調理員・清掃作業員・自動車運転手などが該当する。
事務職とは別系統の職として位置づけられ、給与・労働条件の決まり方も一部異なる職員区分である。地方公務員法は職員を一般職と特別職に分けるが、技能労務職員は一般職の中でさらに区別され、地方公営企業労働関係法の一部規定が準用される結果、労働協約を締結できるなど一般の事務職員にない取扱いがある。給料表も事務職とは別の「技能労務職給料表」を用いる団体が多い。近年は定年退職に伴う欠員を正規採用で補充せず、会計年度任用職員や業務委託へ切り替える団体が増え、職員数は減少傾向にある。
労働基本権の取扱いが事務職と異なる
技能労務職員の最大の特徴は、労働協約を締結できる点にある。一般の地方公務員は争議行為が禁止され、勤務条件は条例で定まる(給与条例主義)が、技能労務職員には地方公営企業労働関係法の規定が準用され、当局と職員団体が労働協約を結んで勤務条件を定めることが認められる。このため給与改定の手続も、人事委員会勧告ではなく労使交渉を経る点で事務職と道筋が異なる。ただし争議行為の禁止は技能労務職員にも及び、ストライキ等は許されない。労働協約を結べるという点で民間労働者に近い扱いを受けつつ、公務の安定確保のための制約は残るという、中間的な位置づけになっている。
委託化・会計年度化による職の縮小
給食調理・清掃・用務といった技能労務の業務は、民間委託や会計年度任用職員への置き換えが進み、正規の技能労務職員を新規採用しない団体が多数を占めるようになった。背景には、定員適正化計画による総人件費の抑制と、ラスパイレス指数を通じた給与水準への批判がある。結果として、在職する技能労務職員は高齢化し、退職とともに職そのものが消えていく団体も少なくない。残す業務と委託する業務の線引きが、行政改革の論点として繰り返し問われている。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)