学習や意思の伝達、金銭の管理や対人関係などの場面で支援を要する人が、福祉サービスを利用する際の前提となるのが知的障害という区分である。知的障害はおおむね18歳までの発達期に現れる知的機能の制約と、それに伴う適応行動の困難によって判断され、身体障害・精神障害と並ぶ障害の3区分の一つである。知的障害を判定する公的な根拠法は定まっておらず、運用上の枠組みとして都道府県・指定都市が療育手帳を交付している。判定は18歳未満であれば児童相談所、18歳以上であれば知的障害者更生相談所が担い、知能検査や生活状況の調査をもとに障害の程度を区分する。市区町村は障害福祉サービスの支給決定や手帳交付申請の受付を担い、住民の身近な相談窓口となる。
発達期の知的機能の制約という捉え方
知的障害は、おおむね18歳までの発達期に生じる知的機能の制約と、それに伴う日常生活上の適応の困難によって捉えられる。知的機能の制約は知能検査などで把握され、適応行動の面では身辺の自立、意思の伝達、金銭や時間の管理、対人関係などの困難がみられる。身体障害が法律の別表で対象が明確に定められているのに対し、知的障害については独立した定義法がなく、知的障害者福祉法も障害そのものの定義は置いていない。このため判定は療育手帳制度の運用上の基準に沿って行われ、知能指数と生活能力の両面から障害の程度が区分される。先天的な要因や周産期・乳幼児期の要因など背景はさまざまだが、いずれも発達期に現れる点が、後天的に発症しうる精神障害と区別される特徴となる。
療育手帳の判定機関と市区町村の窓口
知的障害のある人には療育手帳が交付される。療育手帳は法律ではなく国の通知に基づく制度で、都道府県・指定都市が交付主体となり、名称や区分の表記は自治体によって異なる場合がある。障害の程度の判定は、18歳未満の児童については児童相談所が、18歳以上については知的障害者更生相談所が行い、知能検査や面接、生活状況の調査をもとに重度・中度・軽度などの区分を決める。市区町村は手帳交付申請の受付や、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの支給決定を担い、住民にとって身近な相談窓口となる。手帳の判定には再判定の時期が設けられていることが多く、子の成長に応じて区分が変わりうるため、保護者への再判定の案内が窓口の実務で求められる。
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