文書質問とは、地方議会の議員が、口頭による質問とは別に、文書を提出して執行機関の見解を質し、文書による答弁を受ける制度である。会議規則や議会基本条例に根拠を置き、閉会中の質問手段として導入する議会もある。
本会議で質問できる時間は限られ、通告から答弁までの一往復で深掘りも難しい。会期の外で生じた問題に至っては、次の定例会まで公式に質す手段がない。文書質問はこの空白を埋める質問手段で、議員が議長を経由して質問書を執行機関へ送り、期限を区切って答弁書の提出を受ける。東京都議会には、会期中に口頭質問を行わない議員らが文書質問趣意書を提出する制度が会議規則に置かれており、市町村議会では議会基本条例の制定や会議規則の改正で導入する例が広がってきた。
口頭の一般質問と違って再質問の応酬はできないが、質問と答弁の全文が文書で確定して残るため、答弁のあいまいさが残りにくい。質問書と答弁書を議会のウェブサイトで公開する議会が増えており、議員の活動を住民が確かめる材料にもなる。
制度設計の分かれ目——会期中の補完か、閉会中の即応か
文書質問の制度設計は議会ごとに幅があり、対象期間(会期中に限るか、閉会中も認めるか)、提出の経路(議長の承認や形式審査を要するか)、答弁の期限、公開の方法が主な分岐点である。東京都議会の文書質問趣意書は会期中の制度で、本会議で口頭質問に立たない議員の質問機会を保障する性格が強い。これに対し、市町村議会で議会基本条例とともに導入される文書質問は、閉会中の質問手段として設計される例が目立ち、定例会と定例会の間に生じた行政課題をその時点で質せる即応性に重心がある。通年議会を採用すれば閉会中という時間自体が消えるため、文書質問は通年化に踏み切らずに質問機会を広げる中間の選択肢にもなる。一方で、件数の制約が緩く本会議の時間も使わないだけに、濫用すれば執行部の答弁負担が膨らむ。提出件数や分量に上限を置く、議長が形式を審査して受理するなど、抑制の仕組みをあわせて定めるのが通例である。
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