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ジチテン

防災情報システム

読み:ぼうさいじょうほうしすてむ

別名:総合防災システム
意味

防災情報システムとは、自治体が災害対応に用いる業務システムであり、被害情報や避難所の開設状況の集約、職員参集の管理、住民への避難情報の配信などの機能を一体的に提供するものをいう。総合防災システムとも呼ばれる。

災害対策本部のホワイトボードに書き出した被害情報は、書いた瞬間から古くなり、電話で聞き取った内容は転記のたびに欠け落ちる。防災情報システムは、この紙と口頭による情報集約を画面上に置き換え、避難所の開設状況や道路の被害、対応指示の進捗を本部と現場が同じデータで見られるようにする。避難指示の発令では、一度の入力でLアラート緊急速報メール、ホームページ、SNSへ同時に配信する機能が中核で、手段ごとに別々に入力していた時代の遅れと転記ミスを断つ。都道府県市町村でそれぞれ整備され、市町村が入力した被害報告が都道府県のシステムに集約されて国へ上がる流れも支える。操作の機会が災害時に偏るシステムは職員が使い方を忘れるため、訓練での操作習熟と平時業務での利用の設計が導入効果を左右する。

一度の入力で全経路へ——配信の自動化と入力の標準化

このシステムの中核は、避難情報の発令を一度入力すれば、Lアラート、緊急速報メール、登録制メール、ホームページ、SNSといった経路へ同時に配信される仕組みである。手段ごとの個別入力では発令から住民到達までに時間差と表記の揺れが生じ、Lアラートへの入力漏れは、テレビの字幕に避難情報が出ないという伝達漏れに直結していた。配信を自動化するには発令区域や警戒レベルの入力項目を標準の様式に揃えておく必要があり、避難情報の名称が災害対策基本法改正で変わるたびにシステム側の改修も発生する。2021年の改正で避難勧告が廃止され避難指示に一本化された際には、全国のシステムで選択肢と文言の更新が行われた。

国・都道府県との接続——被害報告の系統とSOBO-WEB

市町村は災害対策基本法第53条に基づき被害状況を都道府県へ報告し、都道府県はこれを取りまとめて国へ報告する。この系統を電子化するため、市町村の防災情報システムから都道府県システムへ、国側では内閣府が2024年4月に運用を始めた新総合防災情報システム(SOBO-WEB)へと情報を連接する整備が進む。SOBO-WEBは省庁や指定公共機関と地図上で災害情報を共有する国の基盤であり、名称が似た自治体側の「総合防災システム」とは別物である点が紛らわしい。連接の前提となるデータ形式の標準化は道半ばで、依然として電話とファクスによる報告が併走しており、システム間連携の整備状況が県によって異なることが全国一律の状況把握の壁になっている。

つながりのある用語

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