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ジチテン

収入証紙

読み:しゅうにゅうしょうし

意味

収入証紙とは、使用料・手数料を納付させる手段として地方公共団体が条例に基づき発行する金券で、納付者が購入して申請書などに貼付し、消印を受けることで納付が完了するものをいう(地方自治法第231条の2第1項)。

運転免許更新やパスポート発給の手数料を、現金ではなく売店で買った証紙で納める——都道府県の窓口で長く続いてきた風景である。証紙方式には、窓口の職員に現金を扱わせないことで亡失や領収誤りのリスクを断ち、収納と確認の事務を簡素化できる利点があり、交通安全協会や庁内売店などの売りさばき人を介して販売されてきた。国が発行する収入印紙とは別物で、印紙は印紙税など国の歳入に、証紙は都道府県等の歳入に充てられるという住み分けがある。しかしキャッシュレス決済の普及で「現金を扱わない」という利点は決済端末で代替できるようになり、購入できる場所と時間が限られる証紙は、むしろ住民の不便の象徴になった。2010年に東京都が全国に先駆けて廃止し、大阪府も2018年に販売を終了、2021年の日本経済新聞の調査では発行団体の4割が廃止を検討していると報じられた。廃止に踏み切る団体では、窓口キャッシュレス・納付書払い・電子申請内決済への置換えと、購入済み証紙の払戻しという移行実務が発生する。

収入印紙との混同——制度上の住み分け

収入印紙は、印紙税や国の登録免許税・手数料などの国の歳入に充てるため財務省が発行し、郵便局などで販売される。収入証紙は、地方公共団体使用料・手数料に充てるため条例に基づき発行され、発行した団体の手続にしか使えない。同じ申請でも国の手数料分は印紙、都道府県の手数料分は証紙と納付先が分かれる場面があり(旅券の発給はその典型だった)、窓口では貼り間違いが定番の差し戻し事由だった。発行主体は都道府県が中心だが、市町村レベルで証紙条例を持つ団体もある。誤って購入した証紙の還付や交換は、団体ごとの条例・規則の定めによる。

廃止の実務——条例廃止と払戻し

証紙の廃止は、証紙条例の廃止または改正として議会の議決を経て行われ、施行後の手数料は現金・キャッシュレス・納付書による金銭納付へ切り替わる。移行時には、売りさばき人との委託契約の終了、在庫証紙の回収、住民や事業者が購入済みの未使用証紙について払戻し期間を設ける経過措置が必要になる。大阪府は2018年の販売終了後も、未使用証紙の購入代金返還の受付を続けた。窓口側では決済端末や自動精算機の整備費用と決済手数料という新たなコストが生じるため、廃止の費用対効果は収納件数や窓口体制によって団体ごとに分かれる。

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