首長や議員は選挙で選ばれるが、自治体の役職がすべて選挙で決まるわけではない——任命制は、任命権者が任命することで公職に就ける仕組みを指す。副知事や副市町村長は、長が議会の同意を得て任命する。教育長や行政委員会の委員も、議会の同意などを経て任命される。選挙による公選制と対をなし、専門的な知識や政治的な中立性を要する職、補助的に長を支える職に用いられる。誰を任命できるか、議会の同意を要するかは職ごとに法律で定められ、任命権者の人事権の範囲を画している。
任命権者による選任
任命制では、それぞれの職について法律が定める任命権者が、人を選んで任命する。自治体では、長、議会、教育委員会、選挙管理委員会などがそれぞれ任命権者となり、自らの権限に属する職員を任命する。副知事や副市町村長は長が議会の同意を得て選任し、教育長や教育委員、監査委員なども議会の同意を経て任命される。選挙のように住民が直接選ぶのではないが、議会の同意という形で間接的に民意の関与が組み込まれている職も多い。任命制は、補助機関の長や専門性・中立性を要する委員を選ぶ方法として用いられる。
公選制との役割分担
任命制と公選制は、自治体の機関を構成する人をどう選ぶかという点で対をなす。住民の信任を直接受けるべき長と議員は公選とし、その長を補助する副知事や、専門性・中立性が重んじられる行政委員会の委員は任命とする、という役割分担になっている。公選はその時々の民意を直接反映しやすい反面、専門知識や継続性の確保が課題になり、任命は専門性や安定性を確保しやすい反面、住民から見て選任の過程が見えにくい。どの職をどちらの方法で選ぶかは、民主的な正統性と行政の専門性のどちらを重んじるかの選択である。
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