寄附の禁止とは、公職の候補者や公職にある者などが、その選挙区内にある者に対して寄附をすることを公職選挙法が原則として禁じる規制である。
地元の祭りへの祝儀、葬儀の香典、町内会への差し入れ——議員や立候補予定者がこれらを出すと、なぜ罰せられるのか。公職選挙法は、公職の候補者・候補者となろうとする者・現に公職にある者が、その選挙区内にある者に対して寄附をすることを、時期や名目を問わず原則として禁止している。買収との区別が難しい利益供与を入口で断ち、金のかからない選挙を実現するための規制である。香典や祝儀のように社会的儀礼に見えるものも、本人が自ら出席する場での香典など限られた例外を除いて禁止の対象となる。後援会など関係団体による寄附や、候補者等を名義人とする寄附の勧誘・要求も併せて制限され、違反には罰則と当選無効・公民権停止の効果が及びうる。
禁止される寄附と限られた例外
公職選挙法が禁じるのは、公職の候補者等が当該選挙区内にある者に対してする寄附である。寄附には金銭・物品その他の財産上の利益の供与・交付が広く含まれ、祭りへの寄進、神社仏閣への奉納、各種大会への賛助、病気見舞い、結婚祝い、葬儀の供花などが典型として問題になる。例外として許されるのは、政党その他の政治団体やその支部に対するもの、親族に対するもの、候補者等が当該選挙に関し選挙運動者に対してする許された範囲のものなどに限られる。香典については、候補者本人が葬儀・通夜に自ら出席して、その場で霊前に供える程度のものが例外とされるにとどまり、代理人を通じた香典や供花は禁止に触れる。罰金など罰則の対象となり、悪質な場合は当選無効・公民権停止に至る。
あいさつを目的とする有料広告等の制限との関係
寄附の禁止と並んで、公職の候補者等は、選挙区内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、時候のあいさつ状(年賀状・暑中見舞状等)を出すことが禁止される。また、候補者等やその後援団体が、選挙区内にある者に対するあいさつを目的とする有料広告を新聞・テレビ・インターネット等に出すことも禁止される。これらは寄附の禁止とは別の条文だが、いずれも候補者等が選挙区内の有権者の歓心を買う行為を平時から制限し、地位利用や事実上の事前運動を防ぐという同じ趣旨に立つ。実務では、議員・首長が地元行事や慶弔へどう関わるかが恒常的な相談事項となり、選挙管理委員会や議会事務局が個別に可否を案内する場面が多い。
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