ジチテン

条例の制定改廃請求

読み:じょうれいのせいていかいはいせいきゅう

別名:イニシアティブ
意味

条例の制定改廃請求とは、地方自治法第74条に基づき、選挙権を有する住民が一定数の連署をもって、首長に対し条例の制定または改廃を求める直接請求の一類型である。

間接民主制の下では、住民が望む条例があっても議会が動かなければ実現しない。条例の制定改廃請求は、その隙間を住民の側から埋める制度として置かれている。有権者の50分の1以上の連署を集めて首長に請求すると、首長は意見を付して議会に付議しなければならず、議会が可否を判断する。

請求できるのは条例案であり、可決を保証するものではない点に注意がいる。地方税の賦課徴収や分担金使用料手数料の徴収に関する条例は、濫用防止のため請求の対象から除外されている。実務では署名簿の様式・縦覧・有効署名の審査を選挙管理委員会が担い、署名の真正をめぐる争いが生じやすい。

対象から除外される条例

条例の制定改廃請求は条例一般を対象とするが、地方自治法第74条第1項括弧書きにより、地方税の賦課徴収ならびに分担金・使用料・手数料の徴収に関する条例は対象から除外されている。これは、住民負担の軽減を求める請求が安易に乱発され、自治体財政の根幹が不安定になることを防ぐ趣旨である。昭和23年の自治法制定当初はこの除外がなく、減税請求が頻発したため後に追加された経緯を持つ。除外対象に当たるかは条例の主たる目的で判断し、税負担に間接的に影響する条例まで一律に排除するわけではない。

請求から議会付議までの流れ

請求代表者は選挙管理委員会の証明を受けたうえで署名を集め、有権者総数の50分の1以上を集めて首長に本請求を行う。首長は受理後20日以内に議会を招集し、自らの意見を付して条例案を議会に付議しなければならない。議会の議決を経て可否が決まるため、住民が直接条例を成立させられるわけではなく、あくまで議会の審議を起動する権能にとどまる。署名の有効性は選挙管理委員会が審査し、その決定に不服があれば異議の申出・訴訟で争う。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)