ジチテン

被告適格

読み:ひこくてきかく

意味

被告適格とは、特定の訴訟において被告となって本案判決を受けるのにふさわしい当事者としての資格をいう。

行政処分を取り消してほしいとき、誰を相手取って訴えればよいのか。処分をした課か、その長たる行政庁か、それとも自治体そのものか。被告を間違えると訴えは不適法として却下されかねないため、被告適格は出訴の第一歩で確認すべき事項である。

行政事件訴訟法は2004年の改正で、取消訴訟の被告を従来の処分行政庁から、その行政庁が所属する国または公共団体(自治体)へと改めた。これにより、原告は処分をした行政庁を特定できなくても、自治体を被告とすれば足りるようになった。ただし訴状には処分をした行政庁を記載し、自治体は当該行政庁が処分の追行に当たる形で訴訟を追行する。当事者訴訟機関訴訟など訴訟類型ごとに被告適格者は異なるため、提起する訴訟の種類に応じて確認する必要がある。

行政事件訴訟法改正による被告の変更

かつて取消訴訟の被告は処分をした行政庁とされ、原告は権限の所在を正確に特定しなければ被告を誤るおそれがあった。2004年の行政事件訴訟法改正は、この負担を軽減するため、抗告訴訟の被告を処分または裁決をした行政庁が所属する国または公共団体に改めた。自治体の処分であれば被告は当該地方公共団体となり、原告は処分行政庁そのものを特定できなくても訴えを提起できる。もっとも訴状には処分をした行政庁を記載することが求められ、被告となった自治体は当該行政庁が処分の説明・主張に当たる形で訴訟を追行する。

訴訟類型による違い

被告適格者は訴訟の類型によって異なる。抗告訴訟では処分・裁決をした行政庁の所属する国・公共団体が被告となる。これに対し、公法上の当事者訴訟では権利義務の主体である国・公共団体や私人が被告となり、機関訴訟では法律が個別に被告を定める。実務では、訴えの提起前に自らが争おうとする行為が抗告訴訟の対象たる処分なのか、当事者訴訟で争うべき法律関係なのかを見極め、それに応じて被告を確定する。被告を誤った場合でも、出訴期間内であれば被告の変更が認められる余地があるが、確認を怠らないのが安全である。

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