被保護者健康管理支援事業とは、生活保護受給者の健康の保持増進を図るため、福祉事務所が医療・健康に関するデータに基づき保健指導・受診勧奨等を行う事業である。
生活保護受給者は健康診断の受診機会が乏しく、生活習慣病の重症化や頻回受診が課題となってきた。被保護者健康管理支援事業は、2021年に全福祉事務所で実施が義務化された事業で、医療扶助のレセプトや健診データを分析し、対象者を選定して保健師等による保健指導・受診勧奨・生活習慣の改善支援を行う。国民健康保険の保健事業に相当する仕組みを生活保護受給者にも整え、健康面から自立を支えるとともに、医療扶助費の適正化にもつなげる。データに基づく対象者選定と、福祉事務所内の保健師・ケースワーカーの連携が運用の要となる。
義務化の背景
生活保護受給者は、被用者保険や国民健康保険の加入者と異なり特定健診・特定保健指導の対象外であり、健康管理を支える仕組みが弱かった。受給者には生活習慣病を抱える人や、医療機関を適切に受診できていない人が多いとされ、生活習慣病の重症化や、同一傷病での頻回受診・重複受診も課題とされてきた。被保護者健康管理支援事業は2018年の生活保護法改正で創設され、2021年から全福祉事務所で実施が義務化された。受給者の健康を社会全体で支える仕組みとして、保健と福祉をつなぐ意義を持つ。
データに基づく支援
事業はPDCAを意識した設計で、医療扶助のレセプトや健診結果を分析して健康課題と対象者を把握し、保健師等が保健指導・受診勧奨・生活習慣改善・頻回受診者への助言を行い、効果を検証して翌年度の計画に反映する。国民健康保険における保健事業に相当する仕組みを生活保護受給者にも適用するもので、健康面からの自立支援と、過剰・重複受診の是正による医療扶助の適正化の両面をねらう。福祉事務所内で保健師とケースワーカーが連携し、地域の医療機関や保健センターとも調整して実施する。
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