ジチテン

ケースワーカー

読み:けーすわーかー

別名:現業員別名:現業を行う所員
意味

ケースワーカーとは、社会福祉法第15条に定める福祉事務所の「現業を行う所員」の通称で、生活保護受給世帯などを直接訪問し、相談、調査、援助方針の決定や保護費の決定にあたる職員をいう。

生活保護申請が出たとき、その世帯の暮らしを実際に見て保護の要否を判断するのは誰か。窓口の事務処理だけでは保護は決まらず、家庭を訪問して収入や資産、稼働能力、扶養義務者の状況を調べ、自立に向けた援助方針を立てる職員が要る。これがケースワーカーである。社会福祉法は福祉事務所に置く現業を行う所員と定め、生活保護法上は実施機関である福祉事務所長の事務を補助する立場で、受給世帯の家庭訪問、生活状況の把握、就労指導、保護の開始・変更・停止・廃止の起案までを担当する。受け持つ世帯数の目安は社会福祉法が標準数を示しており、市部の生活保護担当では所員1人あたり80世帯が基準だが、申請の増加で実際の担当数がこれを上回る自治体も少なくない。査察指導員(指導監督を行う所員)の指揮監督を受けて動き、援助の難しい事案は組織として方針を決める。社会福祉主事の資格を任用の要件とするのが原則である。

標準数と担当世帯数の実務

社会福祉法第16条は、現業を行う所員の数の標準を福祉事務所の被保護世帯数に応じて定めている。市の設置する福祉事務所では被保護世帯80につき1人が標準で、町村部や都道府県の福祉事務所では別の基準が置かれる。これはあくまで配置の目安であり拘束力のある定数ではないため、保護世帯が増えても増員が追いつかず、1人で100世帯以上を受け持つ過重な状態が生じやすい。担当世帯数は家庭訪問の頻度や援助の密度に直結するため、自治体が職員定数を査定するうえで継続的な論点になる。

査察指導員との役割分担

生活保護の現場は、ケースワーカー(現業を行う所員)と査察指導員(指導監督を行う所員)の二層で動く。ケースワーカーが個々の世帯を受け持って訪問や調査、起案を行い、査察指導員は複数のケースワーカーを束ねて援助方針を点検し、判断の難しい事案で組織としての結論を導く。保護の決定権限は実施機関である福祉事務所長にあり、ケースワーカーは調査と起案、査察指導員は指導監督という分担で、最終的な決裁に至る。新任のケースワーカーが法令解釈や面接技法を習得するまでの育成も査察指導員の役割である。

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