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ジチテン

現在地保護

読み:げんざいちほご

意味

現在地保護とは、居住地がないか明らかでない要保護者について、その人が現にいる場所を所管する福祉事務所が実施責任を負って行う生活保護をいう。

住所のない人が路上で倒れたとき、どこの自治体生活保護を実施するのか。生活保護法第19条は実施責任の配分を定めており、原則は要保護者の居住地を所管する福祉事務所が保護を行う(居住地保護)が、ホームレス状態の人や住み込み先を失った人のように居住地がない、または明らかでない場合は、現在地の福祉事務所が実施する。これが現在地保護である。居住地があっても、急迫した状況にあるときは現在地の機関が保護を行わなければならない。救急搬送された行き倒れの人への医療扶助の適用が典型である。実施責任の判定を誤ると、費用負担と支援の押し付け合い、いわゆる「たらい回し」につながるため、福祉事務所間の境界事案では受付段階の確認が重要な実務になる。

法第19条による実施責任の整理

生活保護法第19条第1項は、福祉事務所の所管区域内に居住地を有する者と、居住地がないか明らかでない要保護者で所管区域内に現在地を有する者を、その福祉事務所の保護の対象と定める。第2項は、居住地が明らかであっても急迫した状況にあるときは現在地の機関が保護を行うべきことを定めており、現在地保護はこの二つの場面で発動する。第3項は、被保護者病院に入院し、または救護施設等に入所しても、入院・入所前の実施機関が引き続き実施責任を負うことを定める。施設や病院の所在自治体に保護費の負担が集中することを防ぐ趣旨で、介護保険住所地特例と同様の発想に立つ配分規定である。

住所不定者への運用と移管

現在地保護の典型は、ホームレス状態の人、ネットカフェ等で寝泊まりして居住地を特定できない人、旅先や搬送先で急病になった人への対応である。保護開始後に居宅を確保して居住地が定まれば、以後の実施責任はその居住地の福祉事務所に移り、ケースの移管が行われる。境界事案では「最後の居住実態がどこにあったか」をめぐって福祉事務所間の協議になることがあり、厚生労働省の実施要領は実施責任の認定が困難な場合の取り扱いを示している。決定までの間に保護が空白になることは許されず、要保護者が現にいる地の機関がまず急迫対応を行ったうえで、事後に費用負担を整理するのが原則である。

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