ジチテン

要保護者

読み:ようほごしゃ

意味

要保護者とは、現に保護を受けているか否かにかかわらず、保護を必要とする状態にある者をいう生活保護法第6条第2項の概念である。

生活保護の現場では「要保護者」と「被保護者」が厳密に区別される。なぜ二つの語が要るのか。生活保護法第6条は、現に保護を受けている者を「被保護者」(第1項)、現に保護を受けているといないとにかかわらず保護を必要とする状態にある者を「要保護者」(第2項)と定義し分ける。要保護者は被保護者を含むより広い概念であり、まだ申請していない者・申請したが決定前の者・急迫により職権保護の対象となりうる者を包含する。この区別が効くのは、たとえば申請権者(要保護者・扶養義務者・同居親族)の範囲、急迫時の職権保護の対象、医療機関などからの通報・連絡の対象を条文が「要保護者」と書くか「被保護者」と書くかで適用範囲が変わるからである。保護の補足性の判定(資産・収入・扶養・稼働能力の活用)は、要保護者が保護を要する状態にあるかを測る基準として働く。

被保護者との区別と包含関係

生活保護法第6条は二つの地位を定義する。第1項の被保護者は「現に保護を受けている者」、第2項の要保護者は「現に保護を受けているといないとにかかわらず、保護を必要とする状態にある者」である。論理的には要保護者が被保護者を包含し、被保護者は保護開始決定によって要保護者の中から確定した部分集合にあたる。条文がどちらの語を用いるかで対象範囲が変わるため、両者の取り違えは適用誤りに直結する。たとえば申請保護の原則(第7条)は「要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族」の申請を起点とすると定め、保護の開始前の段階を要保護者の語で捉える。一方、就労支援や健康管理支援など保護開始後の施策は被保護者を対象とする。

補足性の要件と保護の要否判定

要保護者にあたるか否かは、保護の補足性の原理(第4条)に照らして判定される。資産・能力その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用すること、扶養義務者の扶養や他法他施策が生活保護に優先することが要件であり、これらを活用してもなお最低生活費に満たない不足分が生じる状態が「保護を必要とする状態」である。福祉事務所は申請または職権の端緒を受けて資力調査ミーンズテスト)と扶養照会を行い、要保護者該当性と保護の程度を決定する。要保護者と認められても、その全員に職権で保護が開始されるわけではなく、申請保護の原則の下で原則として本人らの申請を経て被保護者となる。

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