鳥獣保護区とは、鳥獣保護管理法に基づき、鳥獣の保護を図るため環境大臣または都道府県知事が指定する区域であり、区域内では狩猟が禁止される。
猟期になっても銃声のしない区域は、どうやって決まっているのか。鳥獣保護管理法は、鳥獣の保護を図るべき区域を鳥獣保護区として指定し、その中での狩猟を禁止する。指定には二系統あり、国際的・全国的に重要な渡り鳥の渡来地や希少鳥獣の生息地は環境大臣が国指定鳥獣保護区として、地域の鳥獣の保護に必要な区域は都道府県知事が指定する。存続期間は20年以内で更新でき、区域内の特に重要な場所は特別保護地区として開発行為にも許可がかかる。注意すべきは「保護区=捕獲が一切できない区域」ではないことで、禁止されるのは狩猟であり、許可を受けた有害鳥獣捕獲や指定管理鳥獣捕獲等事業は実施できる。農林業被害が深刻化した地域では、保護区がシカやイノシシの「聖域」になっているとして指定の見直しが議論される場面もあり、保護と管理の間で区域設定の妥当性が問われている。
特別保護地区で変わる規制の質
鳥獣保護区の基本的な効果は狩猟の禁止だが、区域内の中核部分を指定する特別保護地区では規制の質が変わり、工作物の設置、水面の埋立て・干拓、木竹の伐採に環境大臣または都道府県知事の許可が必要になる。つまり鳥獣だけでなく生息環境そのものを守る土地利用規制として働く。国指定鳥獣保護区の特別保護地区は、ラムサール条約の登録湿地の国内担保措置としても使われており、谷津干潟や琵琶湖など登録湿地の相当数がこの仕組みで守られている。開発相談の際には、自然公園法の地域指定とともに、鳥獣保護区・特別保護地区への該当の有無が照会事項になる。
ハンターマップに載る区域規制の並び
狩猟者が毎猟期に確認する鳥獣保護区等位置図、いわゆるハンターマップには、鳥獣保護区のほかに、狩猟を一時的に休ませる休猟区、銃やわなといった猟具の種類ごとに使用を禁じる特定猟具使用禁止区域が色分けで示される。これらは「どこで・どの方法の狩猟を制限するか」を分担する区域規制のセットであり、鳥獣保護区はその中で最も強く狩猟を排除する区分にあたる。区域の指定・変更は都道府県の鳥獣行政担当が原案を作り、利害関係人の意見聴取などを経て告示される。猟銃事故や錯誤捕獲の防止にも直結するため、区域境界の現地標識の維持管理も地味だが欠かせない実務である。
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