ジチテン

自然公園

読み:しぜんこうえん

意味

自然公園とは、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用を図ることを目的として、自然公園法に基づき指定される公園をいう。国が指定する国立公園および国定公園と、都道府県が指定する都道府県立自然公園からなる。

優れた自然の風景は、いったん損なわれれば取り戻せない国民共通の財産である。自然公園は、こうした風景地を保護しながら、人々がその自然に親しめるようにするために指定される区域である。

自然公園法に基づく自然公園は、三つの種類からなる。我が国を代表する傑出した自然の風景地を国が指定する国立公園、それに準じる風景地を国が指定する国定公園、そして都道府県を代表する風景地を都道府県が指定する都道府県立自然公園である。自然公園では、自然を保護するため、開発行為や工作物の設置などに制限が設けられる一方、歩道や園地などが整えられ、利用が図られる。自然公園の大半は、土地の所有にかかわらず一定の区域を公園として指定する仕組みをとっており、私有地や民有林を含むことも多い。保護と利用をどう両立させるかが、自然公園の運営に一貫して問われる課題である。

地域制公園という仕組み

自然公園を理解するうえで重要なのが、地域制公園という仕組みである。一般に公園というと、国や自治体が土地を取得して整備する都市公園のような営造物公園が思い浮かぶが、自然公園の多くは、これとは異なる地域制公園の方式をとる。地域制公園では、土地の所有権の有無にかかわらず、一定の区域を自然公園として指定し、その区域内での開発行為などに制限をかけることで、自然の風景地を保護する。このため、自然公園のなかには私有地や集落、農地、民有林が含まれることが多い。広大な自然を、土地をすべて買い上げることなく保護できる利点がある一方、区域内に暮らす人や土地を持つ人の活動と、自然保護との間に調整を要する。地域制公園という仕組みは、所有と規制を切り離すことで、現実的に広い自然を守ることを可能にしている。

保護と利用の両立という課題

自然公園は、自然の風景地の保護と、その利用の促進という、ときに相反する二つの目的を併せ持つ。優れた自然があればこそ大勢の人が訪れるが、訪れる人が増えれば、踏み荒らしやごみ、混雑によって、まさにその自然が損なわれるおそれがある。この保護と利用の緊張関係をどう調整するかが、自然公園の運営の根幹にある課題である。区域を、厳しく保護すべき特別保護地区から、利用を認める地区まで段階的に区分し、地区ごとに規制の強さを変えることで、保護と利用の両立が図られる。近年は、過剰な利用による自然への負荷を抑えるため、利用者の数を調整したり、保全のための費用を利用者に求めたりする試みも行われている。自然を守ることと、その恵みを人々が享受できるようにすることのつり合いを、地域の実情に応じて探り続けなければならない。

つながりのある用語

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