予算公開の原則とは、予算の内容や財政の状況を住民に公表し、財政運営を住民の監視のもとに置くべきとする予算原則である。地方自治法は予算の要領の公表(第219条第2項)や財政状況の公表(第243条の3)を定め、財政の透明性を担保する。
予算が議会で議決されても、その中身が住民に知らされなければ、税の使い道を住民が確かめ意見を述べる手がかりがない。予算公開の原則は、予算と財政の状況を住民に明らかにし、財政運営を住民の監視のもとに置くことを求める。
地方自治法は、長が議会から予算の送付を受けたのち、再議などの措置をとる必要がないときは直ちにその要領を住民に公表しなければならないと定める(第219条第2項)。あわせて、歳入歳出予算の執行状況や財産・地方債の現在高といった財政状況を毎年2回以上公表することも義務づけている(第243条の3第1項)。近年は、これらの法定の公表に加えて、予算書のウェブ公開や財政状況をわかりやすく示す財政白書など、自治体独自の情報提供も広がっている。
法定の公表とその二つの場面
地方自治法が義務づける財政の公表には、性格の異なる二つの場面がある。一つは予算の成立時に行う公表で、長は予算の要領を直ちに住民に公表しなければならない(第219条第2項)。もう一つは執行段階の定期的な公表で、歳入歳出予算の執行状況や財産・地方債・一時借入金の現在高その他財政に関する事項を、毎年2回以上(おおむね5月と11月)公表しなければならない(第243条の3第1項)。前者が予算という計画を示すのに対し、後者は計画がどう実行されているかを継続的に明らかにするもので、両者があって初めて住民は財政を入口から出口まで監視できる。公表の具体的な方法は財政状況の公表に関する条例などで定められる。
形式的な公表から伝わる公表へ
法定の公表は、ともすれば専門用語と数字の羅列になり、住民に財政の実態が伝わりにくいという課題を抱える。これを補うため、各地の自治体が「予算のあらまし」や財政白書を作り、グラフや住民一人あたりの金額への換算、家計に例えた説明などを用いて、義務的な公表を超えた分かりやすい情報提供に取り組んでいる。予算書や決算データをオープンデータとして公開し、情報公開条例による開示請求とあわせて住民の検証に供する動きも広がる。公表したという事実にとどまらず、住民が財政を理解し判断できる状態をつくることが、予算公開の原則が本来求める説明責任である。
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