意味
特定街区とは、都市計画法に基づく地域地区の一つで、街区単位で容積率・高さの最高限度・壁面の位置の制限を都市計画で個別に定め、用途地域の一般的な規制によらない建築を可能とするものをいう。
良質な再開発を進めたいのに、用途地域に一律にかかる容積率や斜線制限が足かせになる場面がある。特定街区は、まとまった街区を対象に、公開空地の確保などと引き換えに容積率や高さを都市計画で個別に設定し、斜線制限の適用を外す仕組みである。霞が関ビルや新宿副都心の超高層ビル群が初期の代表例で、優れた市街地環境と引き換えに高度利用を認める発想に立つ。総合設計制度が建築確認の手続のなかで個別敷地に緩和を与えるのに対し、特定街区は都市計画決定を要し、街区全体の計画として位置づけられる点が異なる。指定後は、定められた容積率・壁面位置を超える建築はできず、計画の変更には都市計画の変更手続が必要となる。
総合設計制度・高度利用地区との使い分け
敷地に容積率の割増しを与える制度は複数あり、特定街区はそのうち都市計画で街区単位に枠組みを与える最も重い手法である。総合設計制度は建築基準法に基づき、建築確認の段階で特定行政庁が公開空地の規模に応じて個別敷地に容積・高さの緩和を与えるため、都市計画決定を要さず機動的に使える。高度利用地区は容積率の最高限度に加えて最低限度や建蔽率の最高限度を定め、敷地の細分化を防ぎつつ高度利用を誘導する。特定街区はこれらと異なり、用途地域の容積率・斜線制限の適用を街区ごと丸ごと置き換える点に特徴があり、複数街区にまたがる大規模再開発で選択される。どの手法を採るかは、対象の規模、緩和の必要量、手続にかけられる時間で判断される。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)