焼却を中心とする日本のごみ処理では、可燃ごみを燃やしても重量・体積をゼロにできるわけではなく、もとのごみのおおむね1割前後が焼却残渣として残り、これをどこへ持っていくかが最終処分場の延命を左右する。焼却残渣には炉底に残る主灰と、煙とともに舞い上がって集じん設備で捕られる飛灰とがあり、性状が大きく異なる点が実務の出発点である。とりわけ飛灰は重金属やダイオキシン類が濃縮されやすいため、廃棄物処理法上は特別管理一般廃棄物に位置づけられ、薬剤処理や溶融固化などの中間処理を経てから埋立てる必要がある。一方で焼却残渣を埋立てずにエコセメントや路盤材として再生利用する取組みも広がっており、残渣をどこまで資源として回せるかが処分場逼迫への対応策となっている。最終処分場の残余容量が限られる自治体ほど、残渣の減容化と再生利用が清掃事業の重要な政策課題となる。
主灰と飛灰——同じ残渣でも扱いが分かれる理由
焼却残渣は、炉の底に残る主灰(焼却灰)と、排ガス処理の過程で捕集される飛灰とに分けて管理される。主灰は燃え残った無機物が中心で比較的安定しているのに対し、飛灰は微細で表面積が大きく、鉛・カドミウムなどの重金属やダイオキシン類が付着・濃縮されやすい。このため飛灰は廃棄物処理法施行令上の特別管理一般廃棄物とされ、溶融・固化・薬剤処理・酸その他の溶媒による安定化のいずれかの方法で処理してからでなければ埋立てができない。同じ「灰」でも法的な扱いが分かれるのはこの性状の違いに由来する。
最終処分と再生利用——処分場を延ばすための残渣対策
焼却残渣は従来、管理型最終処分場に埋立てられてきたが、処分場の新規立地が難しく残余容量の逼迫が全国的な課題となっている。そこで残渣の高温溶融によるスラグ化や、エコセメントの原料化、路盤材・骨材としての再生利用が進められ、埋立量そのものを減らす方向が模索されている。残渣の減容化と資源化をどこまで進められるかは、市町村の一般廃棄物処理計画における処分場延命策の中心に位置づけられる。
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