ジチテン

飛灰

読み:ひばい

意味

飛灰とは、ごみの焼却に伴い排ガス中に舞い上がった微細な灰を集じん設備で捕集したもので、重金属やダイオキシン類が濃縮されやすい焼却残渣である。

ごみを焼却すると、炉の底に落ちる主灰のほかに、煙とともに細かい灰が舞い上がる。これを大気へ出さないよう、バグフィルターなどの集じん設備で捕まえたものが飛灰である。飛灰は粒子が細かいぶん、揮発しやすい鉛・カドミウムなどの重金属やダイオキシン類が表面に付着・濃縮しやすく、主灰よりも有害性が高い。そのため廃棄物処理法では、飛灰をそのまま埋め立てることを認めず、溶融・焼成・セメント固化・薬剤処理・酸その他の溶媒による抽出のいずれかで安定化させたうえで管理型最終処分場へ埋め立てるよう求めている。焼却施設の運転管理では、飛灰の処理コストと、集じんで捕集した有害物を環境中に再び拡散させない管理が課題となる。

なぜ飛灰は特別な処理を要するのか

飛灰が主灰と区別して厳しく扱われるのは、有害物が濃縮されているからである。焼却炉では、鉛や水銀などの重金属が高温でいったん気化し、排ガスが冷える過程で微細な粒子の表面に再び付着する。ダイオキシン類も低温域で生成し飛灰に取り込まれやすい。集じん設備はこうした有害物を含む微粒子を効率よく捕集するため、飛灰には有害物が集まる結果になる。これをそのまま埋め立てると、雨水が浸み込んで重金属が溶け出し、浸出水を汚染するおそれがある。そこで法令は、埋立て前に有害物を溶け出しにくい形に固定する中間処理を義務づけている。

飛灰の安定化処理の方法

飛灰の安定化には、複数の方法が認められている。代表的なのは薬剤処理で、キレート剤などを加えて重金属を溶け出しにくい化合物に変える方法であり、設備が比較的簡易なため広く採られている。このほか、セメントを加えて固める固化、高温で溶かしてガラス質に閉じ込める溶融、酸などで重金属を抽出して別途回収する方法がある。溶融はダイオキシン類も分解でき溶融スラグとして再資源化もできるが、燃料費がかさむ。施設の規模や処分場の受入基準、コストをふまえて方法を選び、処理後の溶出試験で基準を満たすことを確認したうえで埋め立てる。

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