ジチテン

ダイオキシン類

読み:だいおきしんるい

意味

ダイオキシン類とは、物の燃焼の過程などで非意図的に生成する有機塩素化合物の総称で、強い毒性を持つものをいう。ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、大気、水、土壌などに係る環境基準や、排出する施設に対する規制が定められている。

ごみを燃やすという日常的な行為が、思わぬ有害物質を生み出すことがある。ダイオキシン類は、その代表で、ごみの焼却などに伴って非意図的に発生し、その毒性の強さから、社会的な不安を背景に法規制が整えられた物質である。

ダイオキシン類は、特定の目的で製造される物質ではなく、物の燃焼や一部の化学物質の製造の過程で意図せず生成する。ごみの焼却施設が主な発生源の一つとされ、極めて微量でも生物に強い毒性を及ぼすおそれがあるとされる。一九九〇年代に社会的な関心が高まり、ダイオキシン類対策特別措置法が制定され、大気、水質、土壌に係る環境基準や、焼却施設などの発生源に対する排出基準、測定の義務が定められた。これにより、ごみの焼却施設の構造や運転の方法が改善され、排出量は大きく減少した。市町村が運営するごみ焼却施設も規制の対象であり、燃焼の管理と測定を確実に行うことが必要となる。

非意図的に生成するという特性

ダイオキシン類の規制を特徴づけるのは、それが非意図的に生成する物質だという点である。大半の有害化学物質は、特定の用途のために製造されるため、その製造や使用を規制すれば発生を抑えられる。これに対しダイオキシン類は、物の燃焼などの過程で副次的に生まれてしまうため、製造を禁じるという手法がとれない。そこで規制は、発生源となる施設の燃焼の条件を管理し、発生そのものを抑えることに重点が置かれる。ごみの焼却施設では、高い温度で安定して燃焼させ、燃焼後の排ガスを急速に冷却することなどによって、ダイオキシン類の生成を抑制できることが分かっている。ダイオキシン類対策特別措置法に基づく規制を受けて、各地の焼却施設は構造や運転方法を見直し、集約と大型化も進んだ。発生を前提に、それをいかに抑え込むかという発想が、この物質の対策の基本にある。

環境基準と発生源規制の組合せ

ダイオキシン類の対策は、環境基準と発生源規制を組み合わせて行われている。環境基準は、大気、水質、土壌について、人の健康を保護するうえで維持されることが望ましい水準を定めるもので、行政が達成をめざす目標となる。一方、発生源規制は、焼却施設などの個々の施設に対して、排出してよいダイオキシン類の濃度の上限である排出基準を定め、その遵守を義務づけるものである。施設の設置者には、排出ガスや排出水のダイオキシン類の濃度を定期的に測定し、その結果を都道府県知事などに報告しなければならない。環境全体の目標となる基準と、個々の発生源に対する具体的な規制とを組み合わせることで、目標の達成のために発生源の対策を積み上げていく仕組みとなっている。社会的な不安を背景に整えられた規制が、排出量の大幅な削減という成果につながった例である。

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