ジチテン

溶融スラグ

読み:ようゆうすらぐ

意味

溶融スラグとは、ごみや焼却灰を高温で溶かして冷却・固化させたガラス質の固形物で、路盤材や骨材として再利用される資源である。

ごみや焼却灰を千数百度の高温で溶かすと、灰分はどろどろの液状になり、これを冷やすとガラスのように緻密な固形物になる。これが溶融スラグである。高温で溶かすことでダイオキシン類が分解され、重金属もガラス質に閉じ込められて溶け出しにくくなるため、埋立てに頼らず路盤材・骨材・インターロッキングブロックなどに使い道が広がる。日本産業規格(JIS)に溶融スラグの品質規格が定められ、これに適合した製品は公共工事などで使いやすくなった。ただし溶融には多量のエネルギーが要り、設備の維持費も高い。再生材としての需要先を安定して確保できるかが普及の鍵で、需要が細ると結局埋め立てに回るため、自治体は溶融化のコストと処分場の延命効果を見比べて導入を判断する。

溶融による減容と無害化

溶融処理の利点は、廃棄物の体積を大きく減らせることと、有害物を安定した形に固定できることにある。焼却灰を溶融するとガラス質に再構成され、容積はもとの灰の半分程度にまで縮む。これにより最終処分場へ埋め立てる量が減り、処分場の寿命を延ばせる。あわせて、千数百度の高温ではダイオキシン類が熱分解され、鉛などの重金属はガラスの網目構造に取り込まれて溶け出しにくくなる。集じんで捕集される溶融飛灰には重金属が濃縮されるため別途処理が要るが、本体のスラグは溶出基準を満たせば建設資材として使える性状になる。

再生資材としての需要確保という課題

溶融スラグを「処理」で終わらせず「資源」にするには、使い道を確保できるかが決め手になる。JIS規格化により道路の路盤材やコンクリート用骨材としての利用は制度上整ったが、天然の砕石・砂と価格や入手しやすさで競合するため、引き取り手が現れないと在庫が積み上がる。公共工事での率先利用や、近隣自治体・建設業者との供給先のマッチングが要る。さらに、溶融にはガス・電力など大量のエネルギーを使うため、減容・無害化の効果とエネルギー消費・運転費を総合して、溶融化が他の処理より有利かを見極める必要がある。需要が確保できないと、再生されずに埋め立てへ戻ってしまう。

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