ガス化溶融炉とは、ごみを低酸素状態で熱分解してガスと炭化物に変え、それを高温で燃焼・溶融させてスラグ化する方式のごみ焼却施設である。
ごみ処理施設の更新を検討する自治体が、従来型の炉と比較する選択肢の一つがガス化溶融炉である。一般的なストーカ炉がごみを直接燃やすのに対し、ガス化溶融炉はまずごみを低酸素の状態で加熱して可燃性ガスと炭化物に分解し、続いて高温で燃焼させ、灰を溶かしてスラグにする。高温処理により、ダイオキシン類の発生を抑えやすく、出てくる溶融スラグは路盤材などに再利用しやすいという特徴がある。焼却灰を埋め立てる量を減らせる点も、最終処分場の延命につながる。一方で、設備が複雑で建設費・運転費が高く、安定運転に技術を要するため、施設規模やごみ量、財政状況を踏まえて、ストーカ炉と比較したうえで採否を判断することになる。
ストーカ炉との比較
ごみ焼却施設の方式選定では、ガス化溶融炉とストーカ炉が比較検討の対象になる。ストーカ炉は、火格子の上でごみを移動させながら直接燃やす方式で、構造が比較的単純で実績も豊富、運転が安定している。ガス化溶融炉は、熱分解と高温溶融の二段階で処理する方式で、灰を溶かしてスラグ化し、最終処分量を減らせる点や、ダイオキシン類の抑制に有利な点が利点とされる。一方で、設備が複雑で建設費・維持管理費が高く、安定運転に高い技術力を要する。自治体は、処理するごみの量と質、財政負担、スラグの利用先の有無などを総合して、どの方式を選ぶかを決める。
溶融スラグの利用と課題
ガス化溶融炉から出る溶融スラグは、ごみの灰分を高温で溶かして冷やし固めたもので、骨材やアスファルト・コンクリートの材料、路盤材などへの再利用が見込める。これにより、焼却灰として埋め立てる量を減らし、最終処分場の負担を軽くできる。ただし、スラグを利用するには品質の安定と、引き取り先・需要の確保が前提になる。利用先が見つからなければ、スラグも結局は埋め立てることになり、溶融処理の利点が生かせない。このため、スラグの再生利用ルートを地域内で確保できるかが、ガス化溶融炉を選ぶ際の実務的な判断材料になる。
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