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ジチテン

指名推選

読み:しめいすいせん

意味

指名推選とは、地方議会で行う選挙において、投票によらず、指名された者を当選人と定めることに議員全員が同意することで当選人を決める方法である(地方自治法第118条第2項・第3項)。議員中に異議がないときに限って用いることができる。

議長や選挙管理委員を選ぶたびに投票用紙を配り、記載台を整え、開票して点検する——結論が全員一致で見えている選挙にこの手間をかけるのは、議事の時間の浪費でしかない。地方自治法は、議会で行う選挙を公職選挙法の規定を準用した投票で行うことを原則としつつ、議員中に異議がないときは指名推選によることを認めている。運用は、まず指名推選の方法を用いること自体に異議がないかを会議に諮り、次に指名された者を当選人と定めることについて議員全員の同意を確かめるという二段構えで進む。

一人でも異議があれば直ちに投票に切り替わるため、使えるのは全会一致が確実な場面に限られる。実際の議場では議長や副議長の選挙、議会が行う選挙管理委員と補充員の選挙で広く用いられ、所要時間を大きく縮める。半面、事前の会派間調整で結論が決まっていることを前提にした方法でもあり、選挙の形骸化という批判と隣り合わせである。

全員同意の二段構え——一人の異議で投票に戻る

指名推選が成立するには、二つの全員一致が要る。地方自治法第118条第2項は、指名推選の方法を用いること自体について議員中に異議がないことを求め、第3項は、被指名人を当選人と定めるべきかどうかを会議に諮り、議員の全員の同意があった者を当選人とすると定める。方法への異議と人への不同意のどちらかが一人でも出れば、選挙は原則どおり無記名の投票で行うことになる。投票であれば過半数ではなく所定の法定得票で当選人が決まるのに対し、指名推選は文字どおりの全員一致を要するという逆転があり、対立のある選挙ではかえって使えない。誰が指名するかも会議に諮って決め、議長による指名の例が定着している。簡便さの代償として全員一致という高い成立要件を課すことで、反対する議員の選挙権を投票の形で保障する設計になっている。

どの選挙で使われるか——選挙と表決の境界

指名推選が使えるのは、議会が「選挙」の形式で人を選ぶ場面である。代表は議長と副議長の選挙で、改選後の初議会では年長議員が臨時議長を務めて議長選挙を行う際、会派間の調整が整っていれば指名推選で短時間に決着させる例がある。地方自治法第182条により議会が選挙する選挙管理委員と補充員についても、指名推選で選ぶ運用が広く定着している。一部事務組合の議会へ送る議員の選挙など、議会が行うその他の選挙にも用いられる。一方で、条例案や予算案の可否を決めるのは選挙ではなく表決であり、指名推選を使うことはできない。人を選ぶ手続か、案件の可否を決める手続かという区別が、この方法を使える範囲の境界線になる。

つながりのある用語

言い換え・代替

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