高等職業訓練促進給付金とは、母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づき、ひとり親家庭の親が看護師や介護福祉士などの資格取得のため養成機関で修業する期間の生活費負担を軽くするために支給される給付金である。実施主体は都道府県、市および福祉事務所を設置する町村である。
ひとり親が資格を取って収入を底上げしようにも、修業期間中は働ける時間が削られ、生活費そのものが壁になって踏み出せない。高等職業訓練促進給付金は、この期間の生活を月単位の給付で支えることで、就労支援を「いまの仕事のあっせん」から「数年がかりの資格取得」へ広げるための制度である。対象は児童扶養手当の支給を受けているか同等の所得水準にあるひとり親で、看護師・准看護師・介護福祉士・保育士・理学療法士など就職に結びつきやすい資格の養成機関で6か月以上のカリキュラムを修業する場合に支給される。支給は月額10万円(市町村民税課税世帯は7万500円)で、修了前の最後の12か月は4万円が加算され、支給期間は通算4年が上限である。入学金や就職準備の費用には高等職業訓練促進資金貸付という別建ての貸付が併用でき、窓口では母子・父子自立支援員が生活設計とあわせて案内する。短期の講座受講費を補助する自立支援教育訓練給付金とは、訓練の長さと支援の形(月々の生活費か受講費の一部か)で使い分ける。
支給額・期間と対象の拡大
支給額は市町村民税非課税世帯で月額10万円、課税世帯で月額7万500円とされ、養成課程修了までの期間のうち最後の12か月は4万円が増額される。支給期間の上限は通算4年である。対象となる修業は当初「1年以上」のカリキュラムに限られていたが、2021年度から「6か月以上」へ緩和され、デジタル分野など民間資格の取得講座にも対象が広がった。対象資格は看護師・准看護師・介護福祉士・保育士・理学療法士・作業療法士などが代表で、地域の実情に応じて自治体が認める資格もある。給付とは別に、入学準備金・就職準備金を貸し付ける高等職業訓練促進資金貸付事業があり、養成機関修了と資格取得後に一定期間就業を続ければ返還が免除される設計のため、給付金と貸付を組み合わせて修業期間全体の資金計画を立てるのが実務の定石である。申請は事前相談を要する運用が一般的で、修業開始前に福祉事務所の母子・父子自立支援員へつなぐことが案内の要点になる。
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