介護福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格で、専門的知識と技術をもって心身の状況に応じた介護を行い、本人や介護者に対する介護の指導を担う者をいう。
高齢化で介護の担い手が慢性的に不足するなか、誰が専門的な介護を担えるのかを国が資格で線引きする必要が生じた。介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格として、その専門性を公的に保証する位置づけにある。
資格を得るには、養成施設を卒業する経路、実務経験を積んで国家試験を受ける経路などがあり、いずれも国家試験合格が原則となる。喀痰吸引や経管栄養といった一定の医療的ケアは、研修を受けた介護福祉士に限って認められており、看護職との役割分担の境界に位置する。自治体の福祉行政との接点は深く、特別養護老人ホームや障害者支援施設の人員配置基準では介護職員の中核として算定され、介護報酬上の処遇改善加算でもその確保・定着が政策的に支援されている。
名称独占資格という性格
介護福祉士は、資格がなければ介護の仕事ができない「業務独占」ではなく、資格がなければ介護福祉士を名乗れない「名称独占」の資格である。介護そのものは無資格でも行えるため、現場では資格者と無資格者が混在する。それでも国家資格として価値を持つのは、施設の人員配置基準や介護報酬の加算が資格者の配置を前提に組まれており、事業者にとって資格者の確保が経営に直結するからである。資格の有無が処遇に反映される設計により、専門性の底上げが図られている。
医療的ケアと資格の拡張
かつて喀痰吸引や経管栄養は医行為とされ、介護職が行うことは原則認められなかった。しかし在宅や施設で日常的にこれらのケアを要する人が増え、看護職だけでは対応しきれない実態があった。そこで法改正により、所定の研修を修了した介護福祉士等は、一定の条件下でこれらの行為を行えるようになった。介護と医療の境界線が、現場の実態に合わせて見直された例であり、介護福祉士の専門性が看護領域へ一部踏み込んだ転換点といえる。
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