仮徴収とは、公的年金からの特別徴収において、その年度の保険料額や税額が確定する前の4月、6月、8月に、前年度の徴収額を基準とした仮の額で行う徴収をいう。
「4月の年金から引かれる介護保険料の額が、これまでと違うのはなぜか」。高齢者からのこの定番の問合せに答える鍵が、仮徴収と本徴収の区別である。介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、個人住民税の公的年金等所得分は、要件を満たす人について年金からの特別徴収で納めてもらうが、その年度の正式な額は前年の所得が確定する6月から7月にならないと算定できない。そこで年度前半の4月、6月、8月は、前年度の徴収実績を基準とした仮の額で徴収し(仮徴収)、額の確定後の10月、12月、2月に、年間額から仮徴収分を差し引いた残りを3回に分けて徴収する(本徴収)。所得が前年から大きく変動した人ほど、仮徴収と本徴収の額の開きが大きくなり、年度途中で天引き額が急に変わったように見える。窓口では、年間の合計額は賦課決定どおりで変わらないこと、変わったのは期ごとの割り振りであることを通知書の期別欄で示しながら説明すると納得を得やすい。
平準化の調整と期割りの仕組み
仮徴収は原則として前年度2月の特別徴収額と同じ額で始まる。このため、前年に所得が増えた人は本徴収期に負担が偏り、減った人は仮徴収で取り過ぎた分を本徴収で薄く戻す形になり、放置すると毎年度、前半と後半の額の凸凹が繰り返される。介護保険料と後期高齢者医療保険料では、市町村の判断で6月・8月の仮徴収額を変更して年間の期別額を均す平準化の調整が認められており、8月の額を増減させて10月以降との段差を小さくする運用が広く行われている。個人住民税の年金特別徴収では、制度改正により仮徴収額が前年度の年税額の2分の1を3回で割った額とされ、変動の緩和が図られている。なお、年度途中で税額や保険料額が変更された場合や年金の支給停止があった場合は特別徴収が中止され、残額は普通徴収(納付書・口座振替)に切り替わるため、天引きと納付書の二本立てになった納税者への説明も窓口の頻出場面である。
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