町工場と住宅、店舗、倉庫が入り混じった市街地は、この地域の指定によることが多い。準工業地域は、用途地域13種のうち最も用途の範囲が広い類型で、住宅・店舗・事務所から環境悪化のおそれが小さい工場まで、ほとんどの用途を受け入れる。工業地域が住宅を認めつつ学校・病院・ホテルを建てられないのに対し、準工業地域はこれらの施設も含めてほぼ全用途が立地できる点が違いである。建てられないのは危険性が大きく環境悪化のおそれの大きい工場に限られる。建蔽率は50〜80パーセント、容積率は100〜500パーセントの範囲で都市計画により定められる。住居系から工業系へ移る連続体のなかで、最も用途が混在する地域といえる。
準工業地域が13種で最も用途の範囲が広い理由
準工業地域は、用途地域13種のなかで建てられる用途の範囲が最も広い。住宅・共同住宅・店舗・飲食店・事務所・ホテル・学校・病院など住居系・商業系の用途に加え、環境悪化のおそれが小さい工場まで立地でき、原則として「建てられないもの」を列挙する方が短いほどである。建てられないのは、危険性が大きいか著しい環境悪化のおそれのある工場、危険物を大量に扱う施設などに限られる(建築基準法別表第二・る項)。こうした寛容さから、準工業地域は新たな大規模商業施設の立地先として選ばれることも多く、工場跡地が商業・住宅へ転換する受け皿にもなる。住・商・工が混在する市街地の現実に合わせ、用途を最大限に許容する地域として位置づけられている。
準工業地域と工業地域・工業専用地域の線引き
準工業地域は工業系3類型の入口にあたり、工業地域・工業専用地域へ進むにつれて住居・商業の用途が削られていく。準工業地域が学校・病院・ホテルまで認めるのに対し、工業地域ではこれらが建てられなくなり、工業専用地域では住宅すら建てられない。一方、準工業地域では危険性の大きい工場が制限されるのに対し、工業地域・工業専用地域ではどんな工場も建てられるようになる。つまり工業系の3類型は、「工場の自由度を上げる代わりに住・商・公共用途を絞っていく」方向で段階づけられている。準工業地域はそのなかで、工業の利便を掲げながらも住環境や商業を最も広く受け入れる、住居系・商業系寄りの工業地域として理解できる。
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